外観
やや燻んだ輝きのルビー色。
エッジにはまだ紫が残り、若い印象。
粘性は強め。傾けるとアーチとラルムが見られる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
カシスやブラックベリーといった果実、スミレといった赤い花。
針葉樹や、血液といった鉄のニュアンスも。
第一アロマが主体と思われる、どちらかといえば陽性の香り。
味わい
アタックの強さは中程度。
爽やかな酸、充実した果実の甘み、スマートなタンニンのバランスがとれている。
アルコールは存在感はあるものの、軽やかで飲みやすく感じる。
余韻の長さは中程度。舌の奥にほどよい苦味と、果実の甘みが続く。
総評
フレッシュだが充実感もあるミディアムボディ。
供出温度は17度前後、グラスは中よりは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむことができる。
実にイタリアワインらしい。単純なわけではないが難しくもなく、明るく陽気だが軽すぎもせず、それでいてそれなりにリーズナブルな金額で購入できる。カジュアルワインかくあるべしというバランス感である。
トスカーナと言えばボルドー寄りのワインをつくる地方として有名だが、それに逆行するかのようにサンジョヴェーゼ100%と、イタリアらしさを押し出していると言える。購入時には注意したい。
味わいにおいては、落ちついたベリー味をよく感じられる、所謂「赤ワインらしい」つくりと言える。カベソーなどと異なる点は、えぐみや渋みが強くなく、あくまでシンプル・フレッシュであるため、飲み疲れしづらいところであろうか。
シンプルであるが故に、つまみにも合わせやすいだろう。魚のようなあっさり系にもいけそうだし、生ハムやチーズにも勿論合いそうだ。
楽しくカジュアルな週末を過ごしたい方には総じてお薦めできる万能さを持った一本だと言えるだろう。
満足度 ： ★★★☆☆
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