外観
澄んだ輝きのある、淡いルビー色。
エッジの紫はとれ、オレンジに変わりつつある。
粘性は強め。はっきりとアーチが架かる。
かなり熟成の進んだ状態と見て取れる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブルーベリー、カシス、プラムと言った果実、
スミレ、バラのような赤い花。
木樽由来と思われる、杉や森の土のような癖のあるニュアンスも僅かに感じられる。
第一アロマと第二アロマが混在した香りといえる。
味わい
アタックは比較的穏やか。
特に目立つのは、イチゴのような果実味と、ヴェジタルな苦み。
総合的には、陽性の味わいと言える。
生きのいい酸も特徴的。それらに隠れてはいるがアルコール感も弱くはない。
タンニンは豊かだが溶け込んでおり、飲みにくさはない。
余韻は短め。果実味はあまり残らず、ヴェジタルな苦みが舌に留まる。
ただし、熟成を促すマドラーを使ったところ、苦みは大分マイルドになり、果実身の方が目立つ様になった。
総評
抜栓してすぐの段階では、フルーティさとヴェジタルさが混在する、ポテンシャルを感じるミディアムボディ。
開いてくると、よりフルーティに、且つパワフルでアッパーになる。
供出温度は18度前後、グラスはなるべく大ぶりのものがいいだろう。
抜栓したての状態はお勧めしない。デカンタージュまたは抜栓して1時間以上置いた方が、本来の味を楽しめるだろう。
最初は、世間に共通認識のある所謂「カリピノ」という印象だった。
ピノ・ノワールの華やかさ・甘い果実味よりも、兎角強い苦みとアルコール感の存在感が強く、ブルゴーニュのそれとはかなり印象が異なるものだった。
しかし、「魔法のマドラー」で強制的に熟成させたところ、前面に出ていた苦みはかなりマイルドになり、マッチョな感はありつつ、私の知るピノ・ノワールに近づいた感はあった。
このカリピノは思うよりも熟成に時間がかかり、9年物でも飲むにはまだ早い、ということなのだろう。
詰まるところは、それなりに呑むのが難しいと思われる。飲むにあたっては、ワインを開かせる術を用意しておくとよい。
それが出来るなら、非常にポテンシャルの高い味わいを体験できるだろう。
ただ、8000円は流石に嘘なのでは・・・という気はする。
満足度 : ★★☆☆☆(8000円台として)
満足度 : ★★★☆☆(3000円台として)
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