外観
透明な輝きのある深いガーネット。
エッジにはまだ紫が残り、経年の浅さを感じさせる。
粘性はやや弱め。傾けてもアーチにならずゆっくりと崩れる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーやダークチェリーと言った黒い果実、スミレといった赤い花。
コーヒーやカカオの香り。血液といったニュアンスも仄かに感じられる。
第一アロマが主体と思われる、重厚な陰性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
酸は溌剌としている。
力強いタンニンの渋みとコクが顕著でヘヴィ。だが果実味もしっかり感じられ、フルボディとしては比較的飲みやすく感じる。
アルコールもフルボディとしては特別厚くは無い、意外にもポップな仕上がり。
余韻は長め。舌に果実の仄かな甘味と、ヴェジタルな苦味が続く。
総評
がっしりとしているがフルーティでもあるフルボディ。
供出温度は18度強、グラスは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュはなくてもよいが、一度エアレーターなどを通した方が味にまとまりと膨らみが生まれ、より楽しめるようになるだろう。
重厚なワインのイメージの強いアルゼンチンだが、このワインはその期待を全く裏切らない。非常にずっしりと重たいワインだ。
だが意外にもかなり飲みやすい。アルコールがさほど主張してなく、果実の甘味がはっきりと感じられるからだろう。音楽で言えばヘビーメタルの中でもメロコア・メロスピの部類、と言ったところだろうか。力強さとキャッチーさが兼ね備えられており、特段フルボディが好きでは無い方でも良さを感じやすいだろう。
勿論ヘヴィであることには違いは無いが、重いだけでは無い、カベルネ・フランの良さが一際輝く仕上がりだと言える。
このように、力強いだけでは無く繊細さも持った一本であるので、ステーキなどの脂が強い料理よりは、赤身魚などと合わせる方が良いのではないだろうか。最近、寿司と赤ワインのペアリングがあるようだが、このワインが持つコクはとてもよく合いそうな気がする。
満足度 : ★★★☆☆
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