外観
透明な輝きのある淡い煉瓦色。
粘性は強い。傾けるとラルムが見られる。
明らかに通常の白ワインとは異なる、経年を感じさせる色合い。
香り
香りはしっかりと感じられる。
アプリコットやライチといった果実、キンモクセイのような白い花。
カラメルのようなニュアンスも。
熟成香の感じられる、陽性の香り。
味わい
アタックは強い。
落ち着いた酸、蜂蜜のような果実の甘みが特徴的。
ねっとりとしたアルコールの厚みを持ち、非常にヴォリューミー。
強烈な甘みの陰に隠れて、しっかりとしたタンニンによるコクも感じられる。
余韻は非常に買い。喉の奥に、甘みとアルコールの熱さが続く。
総評
濃縮した力強い果実味を感じられる甘口ワイン。
供出温度は10度程度、グラスは中~大のものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむことができる。
ドイツのべ-レンアウスレーゼ、所謂甘口ワインである。
寒い時期に収穫される葡萄で作られることによる凝縮された甘みは、強烈で在りながら不思議と自然な甘みである。
白ワインのあるべき瑞々しさを保ちながら、ブランデーの様な熟成感のある甘みと、アイスワインの様な凝縮感を併せ持った一本である。
正直、このボトルの保管状況は良くはなかった。というのも、ボトルが長すぎたためワインセラーに入らなかったのである。
かと言って私にとっては、おいそれとはいただけない高級品なので、どの場面で開けようかと迷っている内に、およそ3年が経過。その間、ほぼ部屋に野晒しの状態で置いてしまっていた。
劣化・風化を覚悟してはいたが、全く問題なく味わえるタフネスに感謝の念を禁じ得ない。
ガトーショコラのようなビターな甘みと合わせると、至上の幸福を味わえるであろう。そうでなくとも蜂蜜のような甘みなので、ちょっとやそっとの甘さには負けないと思われる。
ワイン好きには勿論、スイーツ好きにも圧倒的にお薦めできる一本である。
満足度 : ★★★★☆
本文後のタグから、同じようなワインに飛べるようになっています。
また、インデックス頁から俯瞰した閲覧もできます。↓
甘口ワインも大好物っ。他のレビューも是非ご覧ください。
コメント