外観
エッジの紫がややとれかかった、濃く輝きのあるガーネット。
粘性は強く、ラルムがはっきりと見られる。
まだ年季の入ったというほどの印象ではない。
香り
ダークチェリーのような黒い果実、シダやピーマン。
第一アロマが中心であり、まだ熟成香は感じられない。
香りはとてもはっきりと感じられるが、開ききった印象ではなく、
ポテンシャルの高さが伺い知れる。
味わい
アタックはやや軽やかだが、すぐに力強いタンニンと熱いアルコールの波が寄せる。
しかし爽やかな酸と豊かな果実の甘みもあり、フルーティでもある。
余韻として、舌の奥がひりつくような感覚が長く続く。
総評
フレッシュでフルーティにも関わらず、濃縮した力強さが雄弁に主張する、
大変飲みやすくもリッチな、王道のフルボディである。
供出温度は18度以上、グラスは大ぶりの物がよいだろう。
デカンタージュはせずともすぐに飲むことができるが、
1時間ほど経った頃から真価を発揮するため、ゆっくりと進めるべき。
産地のボスニア・ヘルツェゴビナはバルカン半島に位置する国で、
第一次世界大戦の発端となったサラエボ事件でよく知られる。
ラベルの文字はキリル文字のようだ。
今回のフェスで購入した中で、最も味わいが想像できなかったワイン。
ギリシアのような重くて強い味わいかと予想しており、実際にその要素はあったが、
同時にこんなにも果実味が豊かとは、嬉しい誤算だった。
これぞワインという甘美な葡萄の味わい、喉に焼け付くアルコールのボリューム。
フルボディを飲み慣れている身であっても満足できる重厚感は、五大シャトーにも匹敵する、
とは流石に大げさだが、対抗馬として飲み比べても面白い結果になるのではと思う。
このクオリティで3,000円に満たないのは脅威。
満足度 : ★★★★★
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