外観
透明な輝きの濃いルビー色。
エッジの紫には変色が見られ、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強め。傾けるとはっきりとアーチとラルムが見られる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーやブルーベリーと言った果実、小振りの赤い花。
シナモンを思わせるスパイシーな香りが特徴的。
第一アロマが主体の、どちらかと言えば陰性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
溌剌とした酸と心地よい果実の甘味が前面に出ている。
アルコールはしっかりと感じられるが、厚すぎず上品。
タンニンはしっかりと存在感があるが、緻密で飲みにくさはない。
余韻は長め。舌の奥に、タンニンのヴェジタルな後味が長く続く。
総評
飲みやすいがリッチなつくりのフルボディ。
供出温度は18度前後、グラスはなるべく大ぶりのものが良いだろう。
デカンタージュはなくてもよい。だが、エアレーターを通すなどして開かせた方が、より香りやタンニンがほぐれて飲みやすくなる。
モロッコは、アフリカ大陸の北西、スペイン・ポルトガルの南方に位置する国である。
王道フランスのシラーのように滑らかでエレガントだが、どこかポップで飲みやすい。ただし、アメリカやチリといったニューワールドほどアッパーな感じではない、クール&ポップといった印象。言われてみれば前述の点は南アフリカのワインと共通する。地理的に近い(同じアフリカと言うことで)からだろうか?
すっきりと飲みやすいが果実感も充分にあり、アルコールもタンニンもしっかりしているが厚すぎない。価格的にも高くも安くもないと思う方が多いだろうか。良く言えば中道的でオールマイティ、悪く言えば突き抜けていない、物珍しさでモロッコワインに手を出した割には意外と飲んだことのある感じだったなと思わせる味わいだ。笑
しかし、前述したとおりやはりフランスともアメリカ・チリとも異なっており、これがアフリカの個性なのだろうなとは思う。
また、僅かながらボトル底に残った硝酸カリウム結晶が見られたことからも、品質の高さはうかがい知れる。
料理にも合わせやすいだろう。特に肉料理はソースでも塩でも幅広く合いそうだ。個人的には後者の方が本領を発揮するのではないかと思う。
イベントやワイン会で何か持参するにあたり、価格・味わい・マリアージュといった多方面に置いて「安定した打率を出したいのであれば、大変お勧めである。
満足度 : ★★★☆☆
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