外観
やや濁った濃いめのルビー色。
エッジの紫はとれており、若々しくはない、既に数年の年期を感じさせる。
粘性は非常に強く、グラスを傾けるとそれに合わせてに跡が残るほど。
重厚なワインであることが一目で分かるだろう。
香り
ブラックチェリー、ブラックベリーといった黒い果実の第一アロマ。
コーヒー、杉など深い森の様な匂い。
抜栓直後でも香りはしっかりと感じられるが、まだ開ききってはいない印象。
味わい
アタックは強め、爽やかな酸とまろやかな果実の甘み。
骨格がありタンニンも豊か、アルコールのヴォリュームも大だが、
酸とのバランスが良くフルボディとしては比較的飲みやすい。
余韻は長い。ハードボイルドな苦みと渋みが舌の奥に燻る。
総評
非常に力強くヴェジタルであり、バーで葉巻を燻らせるような貫禄のあるワインである。
供出温度は18度以上、大ぶりなグラスを用意するとよい。
デカンタージュしなくても飲めるが、開いた味を楽しみたいならば、
1hほど早く抜栓しておくべきだろう。
開いた状態になれば、果実、酸、タンニンが渾然一体となった深い味わいに満たされる。
バルカン半島の土着品種であるヴラナツを3ヶ月の間、
アンフォラという壺で熟成させている。そのため樽香がついていない。
加えてバイオダイナミック農法を採用していることもあってか、
ヘヴィながら意外にもストレートに果実の味わいを感じられる。
それだけでかなりヨーロッパワインとはかなり印象が異なることが面白い。
身近なワインを飲み尽くし、レアな逸品を求める上級者向けと言えるワインである。
満足度 : ★★★☆☆
https://hedonism.co.uk/product/lipovac-tellus-amfora-2015
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