
外観
やや燻んだ輝きの濃いガーネット。
エッジには未だ紫が残り、経年は浅そう。
粘性は強い。傾けるとはっきりとアーチとラルムが見られる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーやダークチェリーといった黒い果実、
シナモンや黒胡椒を思わせるスパイシーなニュアンスも。
第一アロマ、第二アロマの両方ともと思われる、複雑でどちらかと言えば陰性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
はっきりとした酸、力強い果実の甘みが前面に出ている。
タンニンもアルコールもしっかりとしており、厚みがある。
あまり派手さのない、重厚で硬派なずっしりとした味わい。
余韻はやや長め。舌の奥に、スパイシーな果実味が残る。
総評
パワフルでしっかりとした造りのフルボディ。
供出温度は18度前後、グラスはやや大きめのものが良いだろう。
デカンタージュはなくてもよいが、抜栓して1時間以上置いた方が、固さがとれて本来の豊かな味わいを感じ取れるようになるだろう。
ブルガリアという国自体は、イタリアの東・ギリシアの北隣あたりに位置する。
つまりは、緯度が低いところにある国である。その事からお察しの通り、非常に果実味とアルコール感が力強く、ヘヴィでパワフルなワインだ。
ボルドーの同セパージュとの違いは正にそこにあり、言わば「熱量」が高いのが特徴的であると言える。
気になるワインの名前は、地下のワインセラーでショパンを聴かせ熟成させていることから来ている模様。
ショパンのバラードは下記の通り1~4番まである。
飲んでみた感想としては、「短調」的で「力強く荘厳」だと強く感じた。おそらくはカベソー&シラーの味の特徴から来るものだろうか。
そういう意味では、私としては、バラード1番が最もイメージに近いように思えた。
素晴らしいワインであることは間違いないが、ほぼ6000円というなかなかの高価格帯として評価するなら、「相応」といった感想。
ただしそれは、ボルドーやカリフォルニアなどの超メジャー地域と同じ土俵に乗せたら、の感想である。私は正直ブルガアリアワインはほぼ初だったので、その新鮮な経験と感動を加味すれば、多少お高く感じても一度試してみて損はあるまい。
音楽、特にクラシックとワインは不思議と親和性が高いように思う。ワインテイスティングにおける「もしもシリーズ」の定番は「料理に合わせるなら?」だが、「音楽で言うと?」を考えてみるのも楽しいかも知れない。(かなりの知識量と感受性を求められそうではあるが)
ちなみに、同シリーズのメルロー主体のワインはショパンの「ノクターン」の名が冠されているようだ。こちらも老若男女が知る名曲、その味わいとはどんなものなのだろうか。機会があればそちらと飲み比べてみるのも楽しそうである。
満足度 : ★★★☆☆


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