外観
輝きの輝き、透明感のあるレモンイエロー。
粘性は弱め。傾けてもアーチにならずに落ちる。
グラスの底には微発泡が見られ、若々しい外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
アプリコットやグレープフルーツ、パイナップルといったトロピカルな果実感。
香草のようなマイルドな癖、石灰、ミネラルのニュアンスも。
スワリングするごとに香りが広がってくる。
第一アロマが主体と思われる、ふくよかな陽性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
爽やかな酸、強固なタンニンのコクが前面に感じられる。
それを下支えするような、果実の自然な甘みと、アルコールによるテクスチャ。
がっしりとしたミネラルの硬さと、ややドライなテイストには、高級感がある。
余韻の長さは中程度。密度の濃いタンニンのコクが舌に続く。
総評
濃密で力強いミディアムボディ。
供出温度は14度程度、グラスは中程度~やや大寄りのものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむことができる。
青森県と言えばリンゴ、リンゴと言えばシードルやカルヴァドスであるが、この強烈なコクとどこかドライな感覚はそんな蒸留酒っぽさと無縁ではない。
かといって、上品で厚みのある甘味やヴィオニエ種を思わせるような香り高さは白ワインの王道そのものであり、大変飲みやすい。つまみなどなくてもついつい飲み進めてしまう。
マルヴァジアという品種は元々はギリシアのもので、世界各地で亜種が存在するようだが、主な特徴は「ふくよかで肉厚」であるようだ。本作品においてもその特徴が如実に出ていると言っていいのではないだろうか。
イタリアでの生産が多いようだが、こと日本においてはかなりレアなのだろう、検索しても、他に1つか2つかしか同品種のワインを見つける事は出来なかった。
相当に密度が高く、品質の高い一本である。4000円弱という価格は決して伊達ではない。
特に日本ワインでパンチのある白をお探しの方は、貴重な選択肢の一つとなるのではないだろうか。
多くの方にとって、日本の白ワインの新しい扉と成り得る一本であると思う。
満足度 : ★★★★☆
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