外観
澄んだ輝き、やや淡めのガーネット。
粘性は強め、はっきりとエッジとラルムが見られる。
エッジの紫はとれ、若干の経年が感じられるが、まだ若々しい印象。
香り
香りはしっかりと感じられる。
カシス、ブラックベリーといった果実、牡丹といった赤い花、
鼻をくすぐる甘草、赤ピーマンのニュアンス。
あまり主張は激しくなく、奥から香りが立ち上ってくるような感覚。
味わい
アタックは強め。
最も印象的なのはタンニンのヴェジタルな苦み。
続いて爽やかな酸、円やかな果実の甘味、アッパー気味なアルコール感。
タンニンの主張がやや突出している感があるが、基本的にはスマートでバランスのよい、陽性の味わい。
余韻は長め。舌と喉の間に、タンニンの渋みが長く残る。
総評
カジュアルワインながら重厚なタンニンを感じられる一本。
本格ボルドーを超安価で飲みたいときに丁度良い。
供出温度は18度前後、グラスは中庸以上の大きさのものを用意したい。
デカンタージュは不要。味わいにまとまりが欲しければ、抜栓して30分程度置いておけば充分だろう。
ラベルの「五本の矢」から分かる通り、かの五大シャトーが一つ「ラフィット」を保有するバロン・ド・ロートシルトが造るカジュアルワイン。
価格からして位置づけ的には、LOS VASCOSのボルドー版、ということになるのだろうか。
千円台・3年物とは思えない貫禄があり、コスパのよいワインと言って間違いはなかろう。
果実の甘味とタンニンがどちらもしっかりと感じられるため、肴なしで飲んでも楽しめるのもグッドである。
但し、高評価の前提に「千円台としては」の断りがつくのは避けられない。
待ちに待った週末の、疲れを癒やし心安まる一時を共にするには、些か凝縮感に物足りなさを感じてしまう。
個人的にはこういったワインは、レストランの低価格ラインとして提供されるのが、最も輝くような気がする。
満足度 : ★★☆☆☆
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