外観
透明な輝きのある、淡いルビー色。
エッジの紫には変色が見られ、多少の経年を感じさせる。
粘性はやや弱め。傾けてもアーチにはならず崩れる。
香り
香りはグラスから立ち上るほどにはっきりと感じられる。
プラムやチェリーといった果実、バラのようなフローラルな赤い花を思わせる。
紅茶のようなニュアンスも。
第一アロマが主体と思われる、陽性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
溌剌とした酸。穏やかだがはっきとした果実の甘みが前面に出ている。
タンニンは緻密で、存在感がありながらも飲みやすい。
ややアルコールがアッパーでポップな印象。
全体的に、果実味を中心にパワフルな個性をまとめ上げたようなイメージ。
余韻は長め。奥歯に果実の甘酸っぱさと、舌には穏やかなコクのある苦みが残る。
総評
ポップでリッチなミディアムボディ。
供出温度は18度程度、グラスは口の広い大ぶりなものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむことができる。
前回のSTONE HEDGEでも同様のコメントをしたが、非常にアメリカ的な一本だと思う。
まずは名前の通り、非常にリッチである。そして誰もがワインに求める果実の味わいをはっきりと感じられ、ポップなアルコール感から幸せな昂揚感を感じられる。
圧倒的なコスパの良さ、ブレンドだからこそとも言える安定した品質、抜栓してすぐに楽しむことのできる取っ付きやすさ。初心者用赤ワインの教科書に載せたいくらいの模範的な作品である。
このワインは美味い、その点においては文句のつけようがあるまい。
一方で、私のような面倒臭いピノ好きからすると、これはあくまで「カリピノ」であって、ピノではないんだよなぁ、などと思うのではないだろうか。そう、このワインが向いている方向性はボジョレー・ヌーヴォーのそれに近く、ブルゴーニュの雄らが目指すワインの深淵とは明らかに別なのである。
その辺りの前提事項をしっかりと理解した上で、明るく・楽しく飲みたい一本である。
満足度 : ★★★☆☆
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