外観
澄んだ輝きのある深いルビー色。
エッジの紫はとれかかっており、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強い。傾けると綺麗なアーチとラルムが見られる。
非常に美しい水面で、品質の良さが伺える。
香り
香りはしっかりと感じられる。
カシス、ブラックチェリーといった黒い果実、杉のような強い木の香り。
コーヒーや血液といったニュアンスも。
複雑な香り。充分に開いている。
味わい
アタックは強め。
爽やかな酸、凝縮された明るい果実味が顕著に感じられ、ポップで華やか。
厚いアルコールにより、深みのある層ができている。
タンニンは溶け込んでおり、穏やかながらヴェジタルな存在感がある。
余韻は充分。喉の上部に果実感が長く残る。
総評
成熟度が高くリッチだが、フルーティーで非常に飲みやすいフルボディ。
グラスは中~大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュはなくてもよいが、酸味を除いた方が、より本質的な味わいを楽しめるだろう。
ボディがしっかりしているという点ではボルドースタイルに近いところもあるが、それにしてはポップで華やかであることが特徴的。
3000円台というコストに充分見合うクオリティであり、且つすぐに飲める・飲みやすいと言う特徴を考えれば、実に優秀な選択肢のひとつとして数えていいだろう。一方で、本格的なフルボディの重たさを求めると、少しだけ物足りなさがあるかも知れない。
とはいえ、ボルドー3000円台でこれだしっかりした層を持つワインが、どれだけあるだろうか。モルドバという、日本での知名度の低さが良い方向で活きた、今の内にお安く味わっておきたい一本だ。
満足度 : ★★★☆☆
本文後のタグから、同じようなワインに飛べるようになっています。
また、インデックス頁から俯瞰した閲覧もできます。↓
他のモルドバワインもお薦めです。是非ご覧ください。
コメント