外観
透明な輝きの、やや濃い目のガーネット。
エッジの紫は僅かで、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強め。傾けるとはっきりとしたアーチとラルムが見られる。
重厚さを感じさせる外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリー、ダークチェリーといった黒い果実、
甘草やクローブといったスパイシーなニュアンスが顕著。
第一アロマ、第二アロマの入り混じった、複雑な香り。
味わい
アタックは強め。
溌剌とした酸、凝縮感のある果実味とアルコールが前面に出ている。
タンニンは緻密で溶けんでおり、比較的飲みやすい。
それなりにハードながらすっきりとし、バランスがとれていると言えよう。
余韻は普通或いはやや短め。喉の奥にヴェジタルなタンニンを長く感じる。
総評
ややハードなミディアムボディ、或いは比較的ソフトなフルボディ。
供出温度は18度前後、グラスは中~大きめの物がよいだろう。
デカンタージュはしなくてよいが、酸がキツいとおもったら、時間を置くなりなりした方が美味しくいただけるだろう。
おさらいすると、モルドバはルーマニアの東、ウクライナの西に位置する、中東寄りの東欧の国である。
タンニンが強くはなく粘度も弱めで、すっきりと飲みやすい。なのだが、ドライで重厚感のある硬派な造りなためか、かなりヘヴィに感じる。チョコレートなどと合わせると、とても飲みやすくなると思われる。
個人的には、シラーズの要素を強めに感じた。オーストラリアワインを重くした感じとでも言うべきだろうか。
これまでに紹介してきた、モルドバの土着品種を用いたワインなどと比べると、個性という点では特筆する事があまりない(モルドバワインがシラーズを使っていること自体が個性なのかも知れないが)。そう言うとネガティブに聞こえてしまうかも知れないが、それはあくまでモルドバという独自性を求めた場合であって、純粋な批評をすれば、グローバル品種の良さを活かした、一般に認知されやすい普遍的な味わいだと言えよう。
価格、クオリティ共に申し分ない。とても良い出来のワインである。
満足度 : ★★★☆☆
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今年も行ってきました、大丸のワインフェス!これからレビューしてきますので、是非ご覧ください。
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