PMP試験に合格したので、その過程のレポ

備忘録
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2020年10月に、PMP試験(6.0版対応)に合格しました。
今回、かなり計画的に準備でき、合格をほぼ確信しながら受けることができ、
進め方としてはかなり理想的だったと思っています。
(正直、成績は微妙だったので、あまり大口は叩けないのですが)

今後も資格勉強はしていくことになると思うので、
そのベンチマークとなるよう、対策として行ってきたことを書き留めたいと思います。

半年前

そもそもは、会社でPMP資格の取得を推奨されたどんなものかを調べていたとき、
UdemyというWeb教育動画サイトの講座動画を見たのが最初でした。

7~8hで試験の概要と抑えるべきポイントを紹介する講義動画で、それを見たとき、
「プロジェクトマネジメントのノウハウをこんな形で見える化できるのか」と、
驚くと共に非常に興味を持ち、本気で取り組んでみようと思ったのでした。

手始めに、その動画を手元のノートにまとめていき、
最終的にはB5用紙18枚の要約ノートになりました。
(この時点では、たったこれだけ覚えれば良いなら楽な試験だなと思っていました。)
それを1週間程度かけて暗記していきました。

幸いなのか否か、ちょうど世界はコロナ禍で外出自粛の真っただ中であり、
GWも全く自室から出れずに過ごしていた頃だったので、
寧ろこれらの作業は娯楽のひとつのように感じたのを覚えています。

その暇な時間を無駄にすまいと、参考書2冊もこの頃に購入し、通し読みをしました。
また、前段で作成した要約ノートに記載の無いことは、随時追記していきました。

しかし、この頃はやはり内容を理解しきれず、練習問題も正答率5割程度でした。
GWが終わる頃、動画と参考書2冊を通し一通りは頭には入ったものの、
いまいち全容が掴めていないような感覚でした。
後は試験日が決まったらブラシュアップしようということで、一旦はお開きにしたのでした。

2ヶ月前

改めて正式に試験日を決める際、やはりコロナの影響は無視できず、
世の中の見通しが立たない中ではありながら、8月くらいなら終息してるかな・・・と予想し、
会社経由で対策講座と模擬試験の申し込みをしました。

対策講座はアイシンク社の提供するコースで、講座2日+Web問題集+模擬試験のセットでした。
PCを使っているとWeb広告が表示されたりしますね。それを見るにお値段は22万円。
最初は高い・・・と思ったものですが、振り返れば納得の充実感だったので、
終わった今では、流石プロだったなと感じました。

・対策講座

本来は品川の教室に缶詰のはずでしたが、コロナの影響で自宅からのWeb受講となりました。
特に不自由や不便はなく、寧ろ往復の満員電車に乗らなくて良かったのは幸運でした。

講義は大変分かりやすく、本や動画では理解できなかったことがすんなり頭に入ってきました。
カメラ越しとは言え、講師の方から指され問答するという緊張感もよかったと思います。
また、重要なポイントを強調してくれたところが非常に有り難かったです。
「これは絶対に覚える」というモチベーションが沸き易いのは、ソロにはない利点だと思います。
振り返ってみても、試験にピンポイントで必要な知識を過不足なく得られたと思います。

逆に厳しかった点としては、スピードが相当速かったことです。
自分はたまたま動画と参考書で予習していたので、脳フル回転でなんとかついて行けましたが、
全くの初見だった場合、全体像も掴めずに振り落とされたのではないかという気がします。
また、Udemyの動画はPMPの面白さを感じながら視聴できましたが、
スピードの速さと、試験対策に特化したシステマティックさで、それも難しいかと思います。

一言でいうなら、良くも悪くもハイレベルな授業だった、という感じでしょうか。
良し悪しを分けるのは受講者自身なのかもしれませんが。

・WBT(Web問題集)

講座にはPC・スマホでできる問題集が用意されており、好きな時に取り組めます。
基礎問題200問+応用問題50問+難問10問 が用意されていました。
基本的には200問を繰り返し解き、9割正答で解けるようになることが目標になります。

問題の質は講座と同様ですね。
ピンポイントで必要になる知識で、大変効果が高い学習ができたと思います。

教材以外では、試験の申し込み方法について詳細に教えていただけたのも大変助かりました。
というのも、PMP試験を主催するPMIは英語が主言語の団体なので、
プロフィールや英作文等の申し込みを全て英語で行う必要があるのです。
それを添削などでサポートしてもらえたお陰で、大きな余裕が生まれたと感じます。

ここからは、参考書を買ったときと同様に、
講座で出たポイントを自分のノートに足していき、それをひたすら覚えていきました。
今思えば、試験に出た内容を「1」とするなら、
Udemyの動画は0.8、アイシンク社の講座は1.1、参考書は1.3、という感じでしたね。
元々のノートした内容は覚えていたので、追加で覚えるのはさほど難しくありませんでした。
合格に向けて余裕を持って取り組めたのはここが大きかったと思います。

1ヶ月前

・模擬試験

「模擬試験」という名前はついていますが、感覚的には「小テスト」だったなと思います。
問題数は本番と同じく200問ですが、難易度はかなり易しめで前述の基礎問題と同レベルのもの。
講師の方からも「8割正答が合格ライン」と提示があり(本番は6割正当で合格)、
基礎力がしっかりと身についているかを見るのが主だったように思います。

逆に言えば、この問題が解けない人は、試験のスタートラインに立てていないだろうな、
という印象でした。試験が終わった今でもそう思います。

自分の成績は178/200点。おそらくクラス中で2位?と、なかなか良い成績だったと思います。
→基礎問題が中心とは言え、いい自信にはなりました。

やはり問題数が多いと途中で疲れるのか、単純な読み落としが非常に多かったです。
10問くらいは「解けたはず」の問題で、多少悔しさも残ったのを覚えています。
前述のWeb問題集やこの後の勉強でも、ケアレスミスは弱点として立ちはだかりました。

本当は模擬試験後、すぐに本番を迎えたかったのですが、
またもコロナの影響なのか、東京会場の日程が全くなく、
結局は3週間程度の間を空けざるを得ませんでした。
その間モチベーションを保つのは難しいなと感じたので、潔く一旦勉強を忘れ、
1週間前から再開することとしました。

1週間前

試験勉強を再開するにあたり、まず行ったのが「死亡前死因分析」でした。
まず、自分が1週間後のテストに「落ちた」と仮定し、その原因を考えていく、という作業です。
これは、緊張感を取り戻すという意味でも、非常にやって良かったなと思うメソッドです。

・ノートの端に書いたまま忘れた些末な点を突かれた
・過去に間違えた問題がそのまま出て同様に間違えた
・ケアレスミスを連発した
・苦手なプロセスの比重が異様に高かった
・時間が足りなくなり完走できなかった
・途中で体調が悪くなり完走できなかった
・道に迷い試験会場に辿り着けなかった

等々。
これら思いついたことに対策を立てることが、詰めの作業となりました。

最終的にこの時期にやったことをまとめると、下記のような感じです。

・ノートの復習
・参考書についている模擬試験の実施
・過去に間違えた問題を解き直し
・体調管理
・試験会場の確認

前日

前日もやったことは「1週間前」と同じですが、対策という意味で一番やって良かったのは、
「19時以降はPCもスマホも使用しないこと」です。
ブルーライトを避けることで眠りの質を上げ、当日の頭をベストの状態にするためです。
なので最後の勉強はノートと参考書のみで行いました。
これのお陰か、緊張しながらもしっかりと睡眠がとれ、体調を整えることができました。

当日

当日は勉強の追い込みよりも、メンタルとフィジカルの調整に重きを置きました。

・仕事は休み、電話も出ない(=余計な雑念を入れない)
・勉強はノートをさらっと振り返る程度に(=頭を疲れさせない
・空いた時間は、部屋を軽く掃除する(=軽度の運動、頭の中の整理、徳を積む)
・眠くならないよう、昼食はタンパク質を中心に、少量に抑える
・糖分は家を出る直前に、フルーツで摂取
・時間的余裕を持って会場に着けるように家を出る
・会場についたらコンビニでブラックコーヒーを一杯(=カフェインで脳を活性化)

「部屋を軽く掃除する」について補足すると、
これは「妹のジンテーゼ」という漫画にあった2つの問題解決メソッドを参考にしています。

1つは、「部屋は心の鏡理論」。
人間の脳の働きは部屋とリンクしている、という考え方で、
綺麗な部屋ならクリアな思考ができ、部屋が雑然としていると思考も曇る、というもの。
つまり、少しでもクリアな頭で試験に臨むために、まずは部屋を片付けた、と言うことです。

もう1つは、「徳を積む」という考え方。

その昔 甲子園でPL学園が春夏連覇を果たした時
後にプロに入った片岡選手は 徳を積むためにグランドの草むしりを
決勝戦の朝にも欠かさなかったのだそうです

人事を尽くして天命を待つ、と言いますが、天に祈る気持ちで徳を積むことは、
最後の最後で「尽くすべき人事」なのかなと思います。

上記の実線の成果か、適度な緊張感はあれど、コンディションは最高。
結果的には実力通りのものを出すことができたと思います。

試験

予定の時間の30分前に会場に入ったところ、時間前倒しで試験を受けられることになりました。

所感としては、やはり模擬試験や参考書の付録問題よりも大分難しく、
全く見当がつかないという問題も10問程度あったように思います。
一方、勉強したとおりの基礎問題も6~7割程度は出題されていたので、
グロ問を全て落としたとしても、基礎を完璧にしておけば合格は可能なのではとも思いました。
(おそらく私は正にそうやって合格したのだと思います。)

多かった問題としては、
・「リスクが発生した、まず何をするべきか」
・「顧客から仕様変更の依頼があった、まず何をすべきか」
という2つがダントツで多かったです。併せて30~40問は出たのではないでしょうか。
あまりに出すぎて、「リスク登録簿の更新」「変更要求を起票」を選ぶのが怖くなりました・・・
せっかく色々覚えたのだから、別のことも聞いてほしいなぁ、と思ったものです。

また、7割程度がシチュエーション問題だったことも印象的でした。
一問一答で回答できる所謂「知識問題」は2割程度、計算問題は1割程度でした。
つまり単なる暗記だけでは、MAXで3割しか取れないということです。
一方、シチュエーション問題を解くにも、基礎知識が頭に入っていることが大前提であり、
やはりそれなりに勉強しないと合格は難しい類の試験なのだろうなと感じました。

時間に追われることはなかったものの、やはり途中で疲労するのはどうしようもなく、
30分を残して200問を時終えたときは、へろへろで力尽きる直前でした。
チェックした問題の見直しも多少はしましたが、迷うことが良い方に転ぶのかという気持ちもあり、
見直しは5分程度で、早めに切り上げて終了しました。

さて、その場で表示された合否と内訳は、

Pass(合格)
Initiating   : Need Improve
Plannning  : Above Target
Executing  : Above Target
Monitoring : Above Target
Closing      : Need Improve

と、なんとも歪な結果に・・・

INIとCLの出題量は合わせて2割程度らしいので、
おそらく他が8割ほど取れていて、合計で7割正答くらいで合格したのかなと予想しています。
6割が合格ラインなので、ギリギリでもなく、優秀でもなく・・・
合格という結果は変わらないと分かってはいますが、
8割方受かるだろうという自信があっただけに、手応えの割になんともパッとしないオチでした。

終わりに

実質2ヶ月の間、これだけしっかりと計画を立てて勉強したのは、非常に久しぶりでした。
(2014年くらいにワイン・エキスパートを取ったとき以来かなと思います。)
それだけに、ちゃんと結果が出せたことは素直に喜びたいと思います。
そして、試験に合格することの歓び、過程で知識を得ることの楽しさも思い出せたので、
また別のジャンルでも挑戦してみたいと思います。

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