外観
澄んだ輝きの淡いレモンイエロー。
粘性は弱め。傾けてもアーチは見られない。
まだ年月を経ていないことを思わせる、フレッシュな外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
レモンやライムといった果実、すいかずらのような小ぶりの花。
酸を豊かに感じられ、若々しい印象。
味わい
アタックの強さは中程度。
溌剌とした酸、まろやかで自然な柑橘を思わせる甘みと、穏やかだが厚みのあるアルコールがバランス良く成立している。
コクを与える上品な苦味も。
余韻はやや短め。甘酸っぱさを奥歯のあたりにじんわりと感じられる。
総評
フレッシュ&フルーティでバランスの取れたミディアムボディ。
供出温度は11~14度、グラスは小~中庸な物でよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむことができる。
余市で育てた自社葡萄を、北海道・空知の10Rワイナリーに委託醸造して作られたワイン。
2020年からは自社施設での醸造が始まっているようで、委託醸造としては最後のワインになるようだ。
飲んでみて、良い意味で一般ウケを狙わない、硬派な作品だなと感じた。
リーズナブルな白ワインによくある手法としては、醸造を短くし甘く仕上げる、シュール・リー製法によりインパクトを出す、アサンブラージュにより複雑さを出す、といったものが考えられ、実際北海道の人気ワインの多くはそれを行なっている。
しかし本作はそのいずれにも該当しない。単一品種、その味わいを飾らずそのままワインにしました、というような、なんとも誠実な印象を受ける一本である。
瓶底に残った大量の酒石酸カリウムも、そんな誠実さを裏付ける物証と言えるだろう。
満足度 : ★★★☆☆
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日本ワインは北海道に偏りまくってますが・・・他のレビューも是非ご覧ください。
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