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外観
透明な輝きのある、やや淡めのガーネット。
エッジには紫が残り、経年の短さが見て取れる。
粘性は強め、傾けるとはっきりとアーチが見られる。
まだ若々しい外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリー、ダークチェリーといった黒い果実、スミレといった小振りの赤い花。
草や土といった野性味、皮や血を思わせるハードなニュアンスも。
第二アロマが主体と思われる、ややハードな陰性の香り。
味わい
アタックは中程度かやや弱め。
穏やかな酸、自然な果実の甘みで、アルコールは中程度と、尖りのないバランス型の味わい。
タンニンは緻密で、存在感はあるが飲みやすい。
余韻はやや長め。本場フランスを思わせる硬派な味わい。
総評
バランスの取れた、ライト寄りのミディアムボディ。
硬派で複雑味があり、本格的。
供出温度は14~17度、グラスは中ぶりのものがいいだろう。
デキャンタは不要、抜栓してすぐに楽しむ事ができる。
「日本で一番小さな、一番海に近いワイナリー」こと横濱ワイナリーの赤ワイン。
一言で喩えるなら、「小スケールボルドー」といったところだろうか。
横浜というおよそワイン製造のイメージのない都会で作られたワインが、草の香りが広がる硬派で王道なメルローの在り方であることに、少なからず吃驚することだろう。一方で、酸が立ってなく輪郭の曖昧な、実に日本ワインらしい側面もあり、なるほどこうなるのか!と新鮮な気持ちにさせてくれる。
まだ熟成していない2020年物だったこともあり、ワインの完成度としてはとしてまだ途上と言うべきだろうが、バランスよくまとまっており非常に飲みやすい。
なにより、横浜でワインを作っているという意外性、話題性を十二分に持ったワインなので、敢えてワイン上級者にブラインドで振る舞うなどしてみると盛り上がるのではないだろうか。
崎陽軒の焼売と合わせてみるのも意外に面白いかも知れない。
満足度 : ★★★☆☆
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