外観
やや燻んだ輝きの、濃いガーネット。
エッジにはまだ紫が残り、経年の浅さが見て取れる。
粘性は弱め。傾けてもアーチは見られない。
まだ熟成途上の比較的若いワインという印象。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブルーベリー、ブラックベリーと言った果実、スミレのような赤い花。
シダや赤ピーマンと言ったニュアンスも。
カベルネ主体と思われる第一アロマ、どちらかと言えば陽性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
驚くほど溌剌とした酸、自然なベリーの甘みが豊かで特徴的。
タンニンは緻密で、コクがしっかりと感じられる。
アルコール感は中程度かやや大人しい程度、優しい口当たり。
余韻の長さは中程度。舌の奥に果実の甘さとヴェジタルな感覚が続く。
総評
フルーティでいてパンチ力もあるミディアムボディ。
供出温度は14~17度、グラスは中~大のものが良いだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しめる。
オランダ王国南部に位置するブラバント州は北緯51度、ドイツのヘッセンと同じくらいで、日本の北海道よりも北に位置する。
正直、埋め立てられてできた土地という印象が強い国なので、葡萄・ワインという選択肢があることにまず驚いた。
そして飲んでみれば、今まで飲んだ事のない感覚を味わえたのだから、全く以て嬉しい誤算である。
ベリー味が強いので、いかにも「葡萄酒」を飲んでいるという感覚になれる。
PIWI(カビ耐性)品種を使用した当作品は、王道カベルネの雰囲気を残しながら、ポップで飲みやすく、口当たり優しく、明るい雰囲気。アルコールが強くないため上品でもある。もしかしてこれは、ビオデミナ、且つ無濾過、無清澄で造る自然派だからこそ出せる味わいなのかもしれない。
ワイン大国の定番の味に慣れてきた頃にこそ、是非お試しいただきたい一本。ワイン小国の面白さに出会える一本である。
満足度 : ★★★☆☆
本文後のタグから、同じようなワインに飛べるようになっています。
また、インデックス頁から俯瞰した閲覧もできます。↓
世界にはどれだけのワインがあるのか・・・他の是非ご覧ください。
コメント