外観
澄んだ輝きのある淡いガーネット。
粘性は中～強程度。
エッジの紫が取れ、レンガ色への微かなグラデーションが見られる。
成熟とまではいかないが、多少の年月は経た雰囲気。
香り
香りははっきりと感じられる。
カシス、ブラックベリーといった黒い果実、
シナモンといった香辛料、血液、土の匂いも幾何。
第一アロマが主体で、よく開いている。
味わい
アタックは中程度。
溌剌とした酸、熟成した果実の甘み、豊かなアルコールが並び立っている。
タンニンは溶け込んでおり、骨格があり力強い、同時に飲みやすくスマートでもある。
余韻はやや短いが、果実の甘みが舌の奥に残り、心地よい。
総評
濃縮し力強く、飲みやすさとのバランスが取れたワインである。
供出温度は14～17度以上、中～大ぶりのグラスがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓直後ですぐに楽しむことができる。
頬に含めば滲み出る果実の凝縮感、アルコール、柔らかくも主張のあるタンニン、
これぞイタリアワイン、これぞアパッシメントという期待通りの味わい。
ワインに親しみのない人も、飲み慣れた人も満足し得るのではないだろうか。
逆に言えば、この時点で完成されているという点で、ポテンシャルに過度な期待はしない方がよい。
“早期消費型のスター”だと言えよう。
その証拠として、エアレータを通そうが、1～2Hほど時を置こうが、味に大きな変化は見られない。
デイリーワインとして生まれ、そのパフォーマンスを最高に発揮するために作られたワイン、といえるだろう。
だが、それがどうしたという話ではある。素晴らしくお勧めである。
満足度 ： ★★★★☆
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