R-1グランプリ2023に感じた、嘗てない安定感と一体感から放たれるエネルギーについて

お笑い評
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皮肉にも、M-1王者のウエストランドにディスられることで再注目されることとなったR-1グランプリ。予告ムービーから本編の司会・演者に至るまで、それに全力で乗っかってきた感がありますが笑、それだけ力が入った、大会の威信を賭けたターニングポイント的な年だったと思います。

R-1グランプリ2024
R-1グランプリ公式サイト

私としては、昨年(2022年)のレベルがとても高かったこともあり、とても楽しみにしていました。
前回大会から連続出場3名、M-1から2名と、やや既視感のあるラインナップでしたが、いずれもしっかりとした存在感を示してきた人たちなので、これは面白くなりそうだなという期待がありました。
特に、現在YouTubeで大喜利配信をして話題の「大喜る人たち」に参加している面々(Yes!アキト、サツマカワRPG、寺田寛明)の躍進に注目していました。

一方で思ったのは、女性芸人が完全に姿を消してしまった事。だいたひかるに始まり紺野ぶるま、吉住といった大会を彩ってきた実力派の存在があるだけに、ゼロというのは少し寂しくも思いました。もっと頑張れ女性芸人。

ということで、本編の感想を書いていきたいと思います。

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決勝ファーストステージ8組

Yes!アキト

Yes!アキト | Sun Music Group Official Web Site
サンミュージック、SUN,MUSIC、森田健作、カンニング竹山、塚本高史、ぺこぱ等の所属タレント紹介、活動情報、ファンクラブ案内。

Yes!アキト / プロポーズギャグ

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
91 94 93 88 90 456
個人的点数 84
[概要]「結婚してください」と言えない男の一発ギャグ集。

【Yes!アキト】プロポーズ【R-1グランプリ2023決勝ネタ】
[感想] ○昨年とは異なり、コンセプトありになったのは絶対良い
○フレーズのひとつひとつが面白い
○加速していくテンポ感もGOOD
テンパってしまう男心に共感できるので、無秩序感にも納得できる

[総評] 前年はひたすら無秩序にギャグを連発するスタイルだったが、コンセプトを用意したのは大正解だったと思う。審査員もみんなそう言ってましたね。私の去年のレビューはピタリだったじゃないか(▼v▼)
トップバッターという位置を考えても大健闘だし、大会的にも素晴らしいスタートを切れたと思う。彼を決勝に進ませたのは結果大正解だったのではないだろうか。

 

寺田 寛明

マセキ芸能社所属タレント
寺田 寛明

寺田 寛明 / ことばレビューサイト星1

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
90 94 94 92 94 464
個人的点数 86
[概要]違和感のある言葉にレビューサイト風のツッコミを入れる。

寺田寛明『ことばレビューサイト星1』
[感想] ○大型ディスプレイに替えたのは大正解
×ルール説明が長いし、ツカミもないので、冒頭が寂しい
○言葉に対するつっこみが的確、さすが塾講師
○付和雷同の擬人化www

[総評] 言葉に対するツッコミという芸風は珍しくも無いが、それを現代に定着したレビューサイト風に行うというアレンジにオリジナリティがあった。
突き詰めればこれも大喜利なのだろうか。「大喜る人たち」で磨き抜かれたワードセンスが炸裂していた。贅沢を言うと、ネタ同士の繋がりやストーリーがあると完璧だったかな。
紙フリップから大型ディスプレイに替えたのは大正解だと思う。安っぽい感じがしなかったし、大変見やすかった。
勢いが出にくい芸風なので2番手は不利かと思われたが、Yes!アキトが作ったいい空気に乗れたと思う。カオスな大会になりがちなR-1グランプリにおいて、この2組はとても言い流れを作ったと思う。素晴らしい。

 

ラパルフェ都留

ラパルフェ | ワタナベエンターテインメント
ワタナベエンターテインメント公式サイト。お笑い芸人から俳優、ミュージシャン、文化人まで幅広い所属アーティストのプロフィールや最新情報などをお届けします。

ラパルフェ都留 / 怪獣vs阿部寛

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
94 91 90 87 89 451
個人的点数 70
[概要]怪獣と闘う阿部寛、ピンチになったその時!彼を愛する皆の声が!

[感想] ×初手で阿部寛をやるには、ちょっと知名度が上がりすぎたのでは
○ものまね一本に頼らない、ドラマやホームページネタの織り交ぜ
×ツッコミが音声というのは、やはり熱量が出なくてイマイチ
×ツッコミを音声に任せている割に、本人の動きが小さすぎる
○オチの「番宣で来てたんだ」は草

[総評] 枕が長いうえ意外性がなく、初速が出なかったのが最後まで響いたように思う。2020年くらいだったら大ウケだったのだろうが、こういった出オチをやるには、彼は有名になりすぎてしまったと思う。
一番気になったのは、やはり音声によるツッコミがイマイチすぎること。観客としてはやはりモノマネの方をメインで見たいし、機械的な音では熱量が足りなくて盛り上がりきらない。その割に本人は間を持て余しているように思えるほど動きが小さく、評価が下火になってしまったのも無理はないか。根本的なコンセプトのデザインが良くなかったと言わざるを得ない。
でも、採点直後のテルマエ・ロマエはめっちゃ笑った。彼は賞レースの人では無いと思う。バラエティや舞台で評価されていって欲しい。

 

サツマカワRPG

サツマカワRPG|バラエティ|所属者一覧|ケイダッシュステージ公式WEBサイト
原口あきまさ・オードリー・スザンヌなどが所属する芸人・タレントなどのマネジメント会社。東京都渋谷区、ケイダッシュステージのオフィシャルウェブサイト。

サツマカワRPG / この街の人々

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
92 93 96 90 91 462
個人的点数 80
[概要]登場人物がリレーされていくショートコント集

【R-1グランプリ2023】サツマカワRPG『この街の人々』【決勝ネタ】
[感想] ○昨年とは打って変わった、ショートコントからのスタート
○登場人物がリレーしていくショートコント集という、意外と新しい試み
×けど、だったら、最初の和田アキ子は浮いてしまうような
×一本一本のネタのインパクトがちょっと弱い
○オチで人物が一巡し、今度は「遅いよ」と言う側になるという、綺麗な締めくくり

[総評] 昨年はコンセプチュアルなコントを披露したが、今年は一転して彼の原点とも言えるショートコント集。私としてはコントの方が観たかった感はあるが、ラストイヤーに自分らしさを重視したと言う事なのだろうか。
とはいえ、登場人物がリレー形式で繋がっていくという映画的な手法で紡がれるそれは一本のコントでもあり、そのコンセプトを敢えて説明しないところに彼のアーティスト性を感じた。実にお洒落で美しいコントだった
ただしその分というか、肝心のショートコントの一つ一つが弱かったのは残念だった。出だしの「遅いよ」からしてあまりに教科書的というか、彼にしては大人しすぎたというか。
出順的にもいいところいいところだったので、優勝も狙えると思っていただけに、非常に惜しかったなと。ラストイヤーお疲れ様でした。次はKOCとM-1でのファイナル待ってます。

<後日追記>
こういうリレー形式、昔誰か漫画でやってたなー、誰だったかなーと思っていたんですが、ようやく思い出せました。ソムリエールの14巻で、巻頭の作者コメントでは「ロンド形式」と表現していました。やっぱりお洒落だなぁ。

カベポスター永見

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カベポスター永見 / 世界で一人は言ってるかも知れない一言

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
93 96 97 86 88 460
個人的点数 67
[概要]静謐な音楽に乗せて、「世界で一人は言ってるかも知れない一言」が紡がれる

[感想] ×タイトルがわかりにくい、つまりはコンセプトがわかりにくい
×無秩序な羅列になってしまっていた
×起伏がなく、盛り上がらないまま終わってしまった

[総評] 最初の一言目の言葉のチョイスが全てだったと思う。
「世界で一人は言ってるかも知れない一言」とは?「マイナーだけどそういう人はいるかもしれないよね」ということなのか、「いや、言わねーだろ」ということなのか?
後者なのかなと思いながら聞くも、どちらとも取れる微妙なところなので迷ってしまい、笑いにならなかった。いや、大変勿体ない。「世界で有りそうで無い言葉」とかだったら、点数は10以上伸びただろうに。パッケージングって大事だなと改めて感じた。
とはいえ、物悲しい音楽に乗せて呟くという形式はさほど目新しくも無いし、ネタ内容も無秩序に並べられた無構成な印象。あまり磨かれていない原石のまま出された感じ。才能があるのは分かるけど、ちょっと準備が足りなすぎたのではないか。

 

こたけ正義感(敗者復活枠)

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こたけ正義感(敗者復活枠) / おかしな法律

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
93 93 92 91 93 462
個人的点数 75
[概要]実在するおかしな法律法令にツッコミを入れる。

[感想] △復活ステージと同じネタだったのは、視聴者的にはちょっと残念
△もの悲しい音楽は必要だったのだろうか?ない方が熱が上がったような気がするが
×法律へのツッコミ、というやや広すぎるコンセプト
○パーソナリティを活かしたオリジナリティ溢れる芸風
このコンセプトで前ネタの回収ができるのは普通に凄い

[総評] なんと現役弁護士がR-1決勝へ。悪く言えば芸一本で無くて行けてしまう大会ということになるのだろうが、一概にそうとも言えない質の高さを見せたと思う。もはや飽和状態にあったと思われたフリップネタにおいて、ネタ後もはっきりと内容を思い出せるだけのインパクトとオリジナリティがあった。そもそもの話、弁護士が芸人と同じレベルの発声・滑舌してるの凄くない?
「おかしな法律」というコンセプトは広すぎたと思う。信号機設置の「罰則」とパンの「定義」が絡み合うオチから逆算的に作られていったのだと思うが、そのつなぎ目であるクリーニング法や棒のくだりで「突然主旨が変わった感」があり、違和感が生じてしまった。馴染みのないタイプのテーマなので、もっと分かり易い共通項で並べてくれるとキャッチアップできたのかなと。

 

田津原理音

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田津原理音 / バトリオン・モンスターズの開封

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
96 96 97 89 92 470
個人的点数 72
[概要]レアな人カードの開封動画。

[感想] ○あるあるネタをカード化するのは発明だと思う
○キラ、スリーブに入れるなど、描写が細かい
×字が小さすぎて見にくい。

[総評] 着眼点は目新しいものではないものの、その表現の仕方は非常に目新しいものだったと思う。カード化するだけで色々想像力が膨らんでいったし、ボケ・ツッコミを全てカードに委ね、演者は開封時のリアクションに終始しているというスタイルは未だ嘗てない発明だったのではないだろうか。私としてはネタに対して審査員評価が高すぎた気がしたが、ファイナル進出はこういった「新しい表現の仕方」を評価された結果なのだと解釈している。
カードの文字が小さくて分かりづらいのでは?という点は気になった。テレビサイズで見る限りはなんとか読めたが、スマホ視聴の方は左下のツッコミ文章までちゃんと見えたのだろうか?今後披露する機会が多いだろうが、場所と設備を選びそうだなと。どうするのかな。

 

コットンきょん

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コットンきょん / 警視庁カツ丼課

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
95 92 96 90 95 468
個人的点数 78
[概要]思わず自供したくなる、相手に合わせた最高のカツ丼を作る警察。

[感想] ○意外にも数少ない正当派コント
○自白させるカツ丼という斬新すぎる切り口
○詐欺師にはハムカツ笑
○ドラマを観ているような演技力
×オチはカツじゃなくてハンバーガーでええんか

[総評] KOCで名を馳せた彼。その際もぶっ飛んだ発想のコントを披露していたが、今回もその才能をフルに発揮したネタだったと思う。誰が観ても面白いと思えるであろうし、オリジナリティという点でも文句のつけようがなかった。もはや脚本家の仕事ではないかというレベル
まずは特殊設定にこそ目がいくが、このネタの笑いの源は言葉のレトリックだと思う。「サクッと解決してやる!カツだけにな!」「カツを入れてやる、2つの意味でな!」といったカツネタが随所に鏤められ、観客を飽きさせない。設定、演技、言葉、あらゆる方面が充実した実に贅沢なネタだった。
ただ、オチのハンバーガーのくだりは、ややコンセプトからの逸脱だと感じた。逆にそれが面白い、という意見はあるだろうが、私としてはオチにこそ最高に輝くカツ丼を提示して欲しかった気がする。

 

 

ファイナル2組

田津原理音

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田津原理音 / ぷりんすコレクションの開封

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内
個人的点数 72
[概要]レアな人カードの開封動画。

[感想] ○ガム付き笑
×1回目とやっていることは同じ、寧ろコンセプトが分かりづらくなった
○天理高校笑
○キラガム笑
○ホログラム笑
×オチでモタモタして台詞を2回言ってしまう笑

[総評] 一本目と同じく、ボケ・ツッコミはカードに委ね、自身は盛り上げに徹する、という合理的すぎる分業が最大の発明ポイント
面白いのだが、最初のタイトルコールできっちりとコンセプトを提示して欲しかった。「どうでもいい特技を持っている彼」という主旨を説明し切れていないため、理解するまでの上がりきらない熱量分が勿体なかった。2本目だから敢えて削ったのだろうか?
最後の最後で手元がモタってしまい、オチの台詞を2回繰り返してしまったのも勿体なかった。優勝のかかったネタのオチという重圧は、演者の方にしか分からないほど途方もないものなのだろうけれど。そりゃ手も震えるだろうなぁ。

 

コットンきょん

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コットンきょん / アメリカに行く彼女を追いかけろよ

ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内
個人的点数 66
[概要]アメリカに行く彼女を追いかけろよのくだりをリモートでやる。

[感想] ×前半20秒要らなかったのでは?
△ド定番ネタの現代風アレンジ
×オチまで捻りがなく、驚きがなかった

[総評] 流れ的に彼に求められていたのは「ぶっ飛んだ特殊設定」だったと思うのだが、所謂「定番ドラマあるある」をそのままやってしまった事で、意外性というパワーの不足を感じた。
一本目とは異なり、特殊設定に頼りすぎた感もあった。一本目の充実感が凄すぎたというのもあるだろうが、言葉遊びはほぼなく、リモート会議あるあるが少々、といった感じで、ドラマに軸足を乗せすぎてしまったように思えてならない
内容的にも、世代差もあればITリテラシーにも左右される、万人受けとはやや遠いコンセプトだったように思う。

 

総評

最終的な、審査員(と私)の点数のまとめは下記の通り。
(赤は審査員毎の最高点、青は同最低点。)

 

No. 演者/演目 ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
1 Yes!アキト / プロポーズギャグ 91 94 93 88 90 456 84
2 寺田 寛明 / ことばレビューサイト星1 90 94 94 92 94 464 86
3 ラパルフェ都留 / 怪獣vs阿部寛 94 91 90 87 89 451 70
4 サツマカワRPG / リレーコント 92 93 96 90 91 462 80
5 カベポスター永見 / 世界で一人は言ってるかも知れない一言 93 96 97 86 88 460 67
6 こたけ正義感(敗者復活枠) / おかしな法律 93 93 92 91 93 462 75
7 田津原理音 / バトリオン・モンスターズの開封 96 96 97 89 92 470 72
8 コットンきょん / 警視庁カツ丼課 95 92 96 90 95 468 78

→各審査員の最高点と最低点の差は、綺麗に6~7点に収まっており、影響力は平等だったと言えそうだ。

<ファイナルジャッジ>

No. 演者/演目 ザコシ 野田 小籔 バカリ 陣内 [合計]
1 田津原理音 / ぷりんすコレクションの開封 3 72
2 コットンきょん / アメリカに行く彼女を追いかけろよ 2 66

前日に復活ステージ30組を見た時点では、「どこまでもカオスないつものR-1」という印象で、どうなってしまうのかと心配したものだ。しかし決勝本戦はいい意味でそれを裏切り、比較的王道なスタイルのネタが多く、安定感のある進行だった
それを牽引したのは、やはり1・2番手のYes!アキトと寺田寛明の完成度の高さであったと思う。

逆に、安定感のあるネタが揃っていたからこそ、田津原理音の手法の新しさが際立ったとも考えられる。
M-1が「漫才」即ち話芸という縛りがあるのに対し、良くも悪くもR-1はどこまでも自由な大会だ。審査員を務める芸人たちもほとんどがR-1出場経験者であり、如何に型を破るか、如何に突き抜けるかを目指してきた人たちだからこそ、新しさが評価されたのではないかと予想してみる。
なので、個人的には点数は高いとは思わなかったが、優勝には納得である。

大会全体で見れば、各種ムービーをはじめ、YouTubeチャンネルの開設、広告、システムの見直し、舞台セット、演者の紹介CGなど、過去イチといっていいほどの大変な力の入れようだったと感じた。
特に、持ち時間が4分から3分に変更されたのは功を奏したように思う。ネタが引き締まってダレることがなかった。前述した安定感・クオリティの高さが生まれる要因になったと思う。
常にM-1と比較されては下位互換のような扱いを受け続け、一時は存続すら危ぶまれたこの大会だが、今年の開催は十分に成功だったと言ってよいのではないだろうか。演者のみならず、企画から現場制作まで一体となって生まれるエネルギーのようなものを感じた。素晴らしい番組だったと思う。

強いて言うなら、個人的には、あべこうじや濱田祐太郎といった話芸で勝負するタイプの芸人が観たかったなという気はする。元々「R-1」は落語のイニシャルからとっているのだから、もっとそういった人達が出てきてもいいのではないかと思うのだが。
やはり話芸を極めるには時間を要すると言うことなのだろうか。そうなると、芸歴10年未満という若手を集めるコンセプトである限り、そちらの方は期待できなくなってしまうのかもしれない。

おわりに

ということで、R-1グランプリ2023の感想と審査員ごっこでした。

近年の中でも非常にレベルが高く、面白い大会だったと思います!
逆に言えば、ぶっ飛んだと呼べるほどの突飛なネタがなかったのは寂しくはありましたね。復活ステージでボイパの人が「守りに入った人選」的なことを言っていたと思いますが、見終わってその意味がちょっと分かりました。笑

とは言え、そういった飛び道具が輝くのは安定感が定着した頃だろうと思うので、現在時点での最高の形だったのだろうと思います。
ということで、今からR-1グランプリ2024を楽しみにしたいですね。

[後日追記] なんと、Yes!アキトの点数発表時に、まだネタ披露をしていない田津原理音の点数が先に表示されてしまい、しかも後にネタ披露した彼の点数がそのまま同じだったという、ヤラセや出来レースを疑われる事態がありました。

個人的には、態々そんなことしないと思いますけどねぇ。一歩間違えたらめちゃめちゃ滑ってたかもしれないし、そうなったら説明つかないですからね。そこまで吉本が推したい若手、と言う風にも見えなかったし。

せっかく力の入った素晴らしい大会だったのに水を差されてしまったのは残念ですが、ちゃんとしたお笑いファンは結果に納得しているのではないかと思います。

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