外観
透明な輝きのある、漆黒を思わせる濃いガーネット。
エッジの紫は橙に変化しつつある段階。
粘性は中程度。傾けると僅かにエッジとラルムが見られる。
まだ成熟途上のパワフルな若いワインという印象。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブルーベリー、ダークチェリーなど黒い果実、
黒胡椒やクローブといったスパイシーな香りも。
メントールやユーカリといったオーストラリアン・シラーズの特徴は、前面に出るわけではなく一段奥にあるよう。
まだ熟成香はあまり感じられない。
味わい
アタックは強い。
穏やかな酸、豊かな果実とアルコールの甘みがバランス良くスマート。
骨格はあるがやや円やかになりつつある。
タンニンは緻密でさらさらとしているが、しっかりと存在感があり重厚。
余韻は長め。奥歯の方にアルコールの甘みとヴェジタルな苦みが仄かに残る。
総評
ストレートな味わいで濃縮感のある、リッチなフルボディ。
供出温度は14~17度、グラスは大ぶりのものがいいだろう。
デカンタージュせずともすぐに美味しく飲めてしまうが、本領発揮はだいぶ先にある。
2時間ほどかけて開いてからが圧倒的に円やかでエレガントになるため、焦って飲み干してしまわないように。
当ワイン作りには、オーストラリアの高級ワインで有名な「AMON-Ra」の醸造家・グレッツァーさんが参画しているとのこと。
単一品種であるためか、一見すっきりとシンプルな味わいに思える。
しかし、アタックから喉元へ流れるまでに様々な要素が廻り、複雑な余韻が残る。
オーストラリアン・シラーズの良いところが前面に出た、”代表格”的な位置づけの味わいと言っていいのではないだろうか。
抜栓直後からそれなりに美味しいため、開けてすぐはまだ本領でないことに気がつかなかった。
エアレーターも使用していたが、それでも完全に開くには足りなかったようだ。
しかし2時間ほど経ってからは、豊かな香り、タンニンの重厚感、果実の甘みが渾然一体と成り、圧巻の完成度となる。
もっとゆっくり飲めば良かった(T△T)
同価格帯の中では頭一つ抜けていることは間違いない。特には上級者にお勧めしたい。
満足度 : ★★★★☆
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