外観
澄んだ輝きのある、深いガーネット。
エッジの紫には変色が見られ、多少の経年を感じさせる。
粘性は非常に強い。傾けるとはっきりとアーチとラルムが見られる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーといった黒い果実。
血液や仄かにコーヒーのような重厚なニュアンスも。
第一アロマ・第二アロマの入り交じる複雑な、どちらかといえば陰性の香り。
味わい
アタックは非常に強い。
溌剌とした酸のはっきりとした輪郭が感じられる。
しっかりと熟した果実味があり飲みやすいが、それと並列してがっしりと力強いタンニン、厚いアルコールのテクスチャがそれぞれ個性を主張し合い、非常に濃密。
葡萄のポテンシャルを遺憾なく発揮させた、非常にパワフルな仕上がり。
余韻は長い。下の中央に、ヴェジタルな苦みが長く続く。
総評
非常にパワフルなフルボディ。
供出温度は18度程度、グラスは大ぶりのものの方がよいだろう。
デキャンタージュはしなくてもよいが、抜染してから多少時間をおくなりした方が、味にまとまりが出るだろう。
スペインらしい非常にパワフルな一本であるが、不思議と味わいはすっきりとしているように感じられ、飲みやすい。
非常にフローラルでもあり、口の中で転がせば、鼻腔から仄甘い葡萄の香りが抜けていく。
この円安の時代にこのクオリティで2000円台とは驚きだ。非常にコスパのよい一本だと言えよう。
安いからと言って早飲みしてしまうのは勿体ない。じっくり味わえばその分味わいを返してくれるしっかりしたクオリティである。
満足度 ： ★★★☆☆
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2021.10.02
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