外観
透明な輝きのある、濃いルビー色。
エッジの紫はとれつつあり、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強め。傾けるとアーチとラルムが見られる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーやプラムといった果実、スミレと言った赤い花、
仄かに血液やなめし皮、クローブといったスパイシーなニュアンスも。
第一アロマが主体と思われる、複雑な陽性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
比較的円やかな酸、ややドライながら熟した果実の上品な甘み、厚みのあるアルコールが特徴的。
タンニンはシルキーで飲みやすいがパワフルで存在感がある。
余韻は長め。舌の奥にコクのあるヴェジタルな苦味と、アルコールの熱さが続く。
総評
ドライ&パワフルだが、熟した円やかさのあるフルボディ。
供出温度は18度前後、グラスは極力大きめの物が良いだろう。
デカンタージュ、或いはエアレーターなどにより味を調えてから飲むことをお薦めしたい。
シャトー・ヌフ・デュ・パプは、フランスのコート・デュ・ローヌ地方で作られる。5種類以上の葡萄をセパージュして作られることで知られる、複雑な味わいのワインである。
フルボディというと、密度が高く渋みを伴うものを想像する人が多いのではないかと思うが、このヌフ・デュ・パプはそんな予想の一段階上のレベルにあるように思う。
タンニンは丸みを帯びたシルキーな口当たりで、アルコールも決して険しくはない。一見マイルドで上品な味わいはライトに感じられるが、その実それら一つ一つの個性は凝縮感があり非常にパワフルである。
質の良い赤ワインの多くがそうであるように、このワインも5年足らずで飲んでしまうには早いのかも知れない。
抜栓したての状態では、個性がバラバラにぶつかり合うようで、複雑味が厚みとして一体になるパワーのようなものを感じ取れづらい。
そう思ったのなら、エアレーターなどを通すと味わいにまとまりが生まれ、よりシルキーでエレガントになる。
飲む場合は、そういった準備を忘れないようにしていただければ。
満足度 : ★★★☆☆
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