外観
透明な輝きの濃いルビー色。
粘性は非常に強い。はっきりとアーチができ、ラルムができるまで数秒を要する。
エッジの紫は取れつつあり、相応の年数の経過を思わせる。
香り
力強い香り。
カシス、ブラックベリーといった青い果実、バラといった大ぶりの赤い花。
甘草(リコリス)、丁子が強く感じられ、非常にスパイシー。
紅茶やなめし皮のニュアンスもあり、非常に複雑。
味わい
アタックは強め。
ドライな苦みをベースに、シャープな酸、豊かな果実の甘み、溌剌としたアルコールのボリュームがバランス良く乗っており、16.5%という高いアルコール度数を感じさせない。
タンニンは溶け込んでおり、存在感はあるが強くは意識されず、飲みやすい。
余韻は長い。舌の奥にヴェジタルで複雑な苦みが続く。
総評
複雑でヴェジタルな、ポテンシャルの高さを感じさせるフルボディ。
供出温度は18度前後、グラスは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しめる。但し、酸が落ち着いた状態の方が好みであれば時間を空けた方がいいだろう。
アマローネについて、名前の響きは「アマ」そうだが、イタリア語では「苦み」を意味する。
「甘くないアマローネ」は資格試験では鉄板なので、覚えておくと少し博識ぶれるかもしれない。
このワインは特に、「苦み」がベースにある模範例だと言える。
近所のカルディで一番高かったワインである。ホームページを見る限りではもっと高いものはあるようなので店舗に依るのだろうが、それでも五指に入ることは間違いなさそうだ。
具体的には、ヴーヴ・クリコと同レベルの価格帯、と言えば高級感が分かりやすいだろうか。
その価格に見劣りする事のない、厳かでハイレベルなワインである。
カルディの真骨頂は、「安くてすぐ飲めて美味いワイン」だと思っているので、正直、態々ここまで高価格帯のワインを買う理由はあまりない。
専門店にいけば、より多くの選択肢があり、よりリーズナブルに手に入るだろう。
しかし逆に言えば、1000円台・2000円台において圧巻のラインアップがあるからこそ、「その価格帯では、どれだけレベルの高いワインであっても決して出せない、深く厳かな味わい」というものを納得させてくれる店というのは、ひょっとして他にはあまりないかもしれない。
カルディという店を見定めたいなら、高価格帯のワインを試してみる事は避けて通れないだろう。
満足度 : ★★★★☆
↓もう少しリーズナブルなアマローネ
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Kaldiワインのまとめなどもあるので、是非ご覧ください。
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