大丸フェアで購入した13本のワインのレビューをしてきて感じたのは、
やはり抜栓直後から飲みやすい状態になっているものは少ない、ということ。
そこで、ワイン本来のポテンシャルをより味わうため、エアレーターを購入しました。
実際に使用してみた感想を書き留めたいと思います。
エアレーターとは
ワインは瓶詰めされた後も、瓶内の僅かな空気によって穏やかに酸化と熟成を続けており、
香りは年月を経る事で複雑化し、渋みが丸くなっていきます。
故にまだ若いワインを早くに開けてしまうと、
本来のポテンシャルよりも香りが弱く、渋みや酸味が強い状態で飲まれる事になってしまいます。
ではどうすれば早く美味しく飲めるのか。
要は酸化が充分でない状態なのだから、酸化させればいいのです。
ではどうやって酸化させるかと言えば、「空気に触れさせる」ことがポイントになります。
一番簡単な方法は、抜栓したまま放置しておくことです。
ただしその場合、小さな注ぎ口からしか空気が入らないため、酸化させるには時間がかかります。
一般のワインでは1~2時間、ポテンシャルの高い物では1日置いておくくらいでようやく開いてくる物もあります。
そこで、もっと手っ取り早く酸化を促進させるためのツールが、「エアレーター」です。
(「デキャンティングポアラー」、「ポアラー」とも言います。)
ボトルの口に取り付けそのツールを通して注ぐ事で、エアレーターの通気孔から酸素が取り込まれ、
効率的に酸化させながらサーブする事ができる、というものです。
そのような点からは、デキャンタやカラフェと役割は同じとも言えます。
ただし、それらとは異なり、エアレーターは澱の除去を想定していないものが多いと思われます。
購入したエアレーター
さて、今回購入したエアレーターは、「Oxytwister」です。
特徴としては、下記のような点が挙げられます。
使ってみた感想
商品説明に記載の通り、装着も取り外しも非常に簡単です。
注ぎづらいこともなく、液垂れもすることなく、邪魔にもならないので、
使用感では減点するところがないという印象です。
現状で試したワインは、3本です。
まずはローソンで売っている、アルゼンチンのタナ。(1000円)
非常に重たいワイン、通常は抜栓直後は渋みが強く、正直美味しいとは言い難いです。
これをエアレーターに通すと、確かに渋み・酸味がマイルドになりました!
少し変わった程度ではなく、かなり劇的に飲み易くなりました。
ただし、時間の経過によって味が深くなる感覚に比べて、表面的に軽く薄く飲みやすくされた、という印象で、多少の無理矢理感がありました。
(そうなったのはツールの責任ではなく、単にそのワインの地力の問題かもしれませんが。)
2本目は近所の酒屋で買った、ボルドーのカベソー。(2400円)
こちらも抜栓直後はガチガチで果実味が感じられない状態でしたが、
エアレーターに通すことで香りが出て、葡萄の味が感じられるようになりました。
ただしこちらも、時間経過による深化に比べてライトな味わいになった気がします。
価格帯が低いものなので、もっとポテンシャルの高いワインでやった場合にはまた違う印象になるのかもしれませんけれど。
3本目はカリフォルニアのピノノワール。(2600円)
最も良い変化を感じたのはこのワインでした。
最初はバラバラに感じた酸味・渋み・甘みが、エアレーターを通す事で一体となった感覚。
俄然フルーティで華やかな印象になり、劇的に美味しくなったと言えます。
(こちらは後日別途、詳細なレビューを書きますので、そちらも参照ください。)
以上の様に、味わいは確実に、そして明確に変わりますね。
ただし、物によって変化への満足感は異なりました。
それがワインのレベルに依るものか、或いは品種に依るものかはまだ何とも言えません。
これからも色々と実験していきたいところです。
使用後の洗い方はとてもシンプルで、蛇口から水を通すだけ。
簡単で手間がかからない反面、逆に言えばそれ以上のことはできないので、
上記の3本を使用したところでは、特に問題ありませんでしたが、
今後、澱の多いものを通したときにしっかりと流しきれるのか、多少不安ではあります。
終わりに
ということで、エアレーターを使ってみての感想でした。
まだ試行回数が少ないものの、今のところ、
もっと早く買っておけばと思うくらいには、満足感は高いです。
ワインを美味しく飲む事は人生を豊かにすることだと思っていますので、
今後、クレ・デュ・ヴァンといった色々なアイテムを積極的に試してみたいなと思います。
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