外観
やや燻んだ輝きの、濃いルビー色。
エッジの紫は取れ、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強い。傾けるとはっきりとしたアーチと、かなりの時間差があってラルムが見られる。
よく熟成された状態を思わせる外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーやカシスといった果実や、
キノコや紅茶を思わせるニュアンスが感じられる。
第一アロマ主体と思われる、ニュートラルで陰性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
円やかな酸、力強いタンニンと厚みのあるアルコール感が前に出ている。
自然な果実の甘味はかなり控えめ、全体的にドライでがっしりとした飲み応え。
余韻はやや長め。口全体にヴェジタルでコクのある苦みが続く。
総評
ハードで硬派なフルボディ。
供出温度は18度強、グラスは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュはなくてもよいが、抜栓したてで苦い・渋いと感じるなら、エアレーターを通すなどするとよいだろう。
長野県は日本ワインの生産量第2位を誇る県である。中でも塩尻市の桔梗ヶ原ワインバレーは名のある産地として知られ、メルローはその冠的な品種であると言える。
メルローがカベソーやシラーと異なる点は、ニュートラルであることである。香りも味わいも派手さや癖がなく、故にクリアで、音楽で言えば低音パート的な存在であると思う。
この桔梗ヶ原メルロは、日本ワインによくあるぽわんとした甘さが全くない。5年というヴィンテージにも依るものであろうか、或いは品質の高さ故であろうか、アルコール度数に似つかわしくない程に非常にドライで、タンニン・アルコールによるハードなテクスチャを描きながらも、雑味がなくどこまでもクリアである。そのワールドスタンダード的な味わいは、本場フランスでの方向性に近いかもしれない。
個人的には、比較的に上級者向けの部類に入ると思う一本である。例えばジンのようなドライさを好む方には大変おすすめできる。単体でその品質の高さを楽しむのもよいが、脂少なめの肉料理などと合わせて頂く方がいいかもしれない。
満足度 : ★★★☆☆
※↓ヴィンテージ違い。
本文後のタグから、同じようなワインに飛べるようになっています。
また、インデックス頁から俯瞰した閲覧もできます。↓
長野にワイン巡りにいきたいものです。。。他のレビューも是非ご覧ください。
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