外観
やや燻んだ輝き、深みのあるガーネット。
エッジの紫はほとんどとれており、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強め。傾けるとはっきりとアーチが見られる。
よく熟成された、重みのある印象。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーといった黒い果実、枯葉などから成る森の匂い、タバコのようなニュアンスも。
落ち着きがあり、硬派で陰性な印象。
味わい
アタックは比較的穏やか。
円やかな酸、ふくよかな果実味が特徴的。
それらと、しっかりとしたタンニン、穏やかだが厚みのあるアルコールとでバランスがとれており、非常に飲みやすい。
経年を感じさせる円みがある。
余韻は中程度。棘のない穏やかな球体のように、舌から喉まで軽やかに通り過ぎていく。
総評
円やかで完成度の高いフルボディ。
成熟度が高く、豊かな果実味を楽しめる、玄人好みの味わい。
供出温度は18度前後。グラスは中よりは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに本領を発揮する。
実に王道的なカベソー。荒々しさは全くなく、成熟度が高く非常に円やか。完成された味わいと言える。
飲んでみれば、6000円台というやや高めの価格帯も、妥当と思えるだろう。
一方、日本では滅多に見かけないモルドバ産のワインだからこそ、必ず求められるであろう「オリジナリティ」があるのかといえば、難しいところである。
価格帯と入手しにくさを考えたとき、「ならフランスでいいのでは?」という気にはなるかもしれない。
このワインの本質でらう高い完成度、角の取れた味わいは、国名を気にせずに味わっていただくのが良いのではないだろうか。
満足度 : ★★★☆☆
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