外観
澄んだ輝きのある、光を通さない深いガーネット。
粘性は比較的弱め。傾けると滲んだアーチが見られる。
エッジには紫が残り、若々しい印象。
香り
香りはしっかりと感じられる。
カシスやブルーベリーといった青い果実、スミレといった小ぶりの花。
癖がなくすっきりと華やかな、陽性の香りだが、
ほんのりとメントールの様な草のニュアンスも。
味わい
アタックは中程度。
シャープな酸、凝縮した果実の甘みを前面に、厚みのあるアルコールがそれを下支えする。
タンニンは溶け込んでおり、品のある存在感があるが、飲みにくくはない。
骨格があり、重すぎも軽すぎもしない、スマートなバランス。
余韻はやや長め。しっかりとした果実感とアルコールの熱さが喉の奥に残る。
総評
フレッシュな華やかさと、濃縮した力強さを兼ね添えたミディアムボディ。
その飲み応えは、人によってはフルボディにも思えるだろう。
供出温度は14~17度、グラスは中~大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむ事ができる。
日本ワインの本場、山梨は南アルプスに拠を構える、ドメーヌ・ヒデのフラグシップワインである。
「“禁断の造りセニエ”は3割6分・アイサメの水はロゼワインとなり、セニエ率は過去最高」
「葡萄果皮だけで醸した、特別なワイン」
とある通り、飲み応えがあるのに軽やかという、一風変わった感覚を味わわせてくれる。
無補糖・無濾過・無清澄で作られる味わいは非常にエレガントであり、品質の良さが一口で伝わってくる。
ちなみに「セニエ」とは、アルコール発酵の途中で発酵槽の中にある「液体」と「固体(果肉や果皮、種子)」のうち、液体部分だけをすこし抜き取ることで固体の比率を高め、濃いワインを作る製法のこと。
価格はかなり高めで、正直コストだけを考えれば手を出しづらいところではあるが、幸いな事にふるさと納税というチートを使う事で、ほぼ費用をかけずに味わう事ができてしまう。
日本の赤ワインのレベルに疑問を持たれている方は、是非一度ご賞味いただきたい。世界に誇れる品質、オリジナリティ溢れる世界観を体現した上品な味わいは、日本の美徳そのものである。
満足度 : ★★★☆☆
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今年は日本ワインをレビューしていく予定です。是非ご覧ください。
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