外観
透明な輝きの輝きのある、濃いルビー色。
エッジの紫はとれつつあり、経年を思わせる。
粘性は強め。傾けるとはっきりとしたアーチが架かった後、かなりの時間が経ってラルムができる。
総じて、重みのある外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブルーベリー、カシスといった青い果実、バラのような大ぶりの花。
イチゴを思わせる甘いニュアンスも。
だが樽香が重厚なため、全体的な印象は陰性を思わせる。
味わい
アタックはやや静か。
溌剌とした酸、果実の自然な甘み、ポップな厚いアルコールが特徴的。
タンニンは緻密で力強い。
余韻は長め。舌に熱いアルコールとヴェジタルなタンニンが燻り、鼻腔をくすぐる。
総評
濃縮し力強く、ポテンシャルの高いミディアムボディ。
供出温度は18度前後、グラスは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュはなくてもよい。抜栓してすぐにも楽しめるが、30分~1時間ほど置いた方が、上品な甘みをより豊かに感じられるだろう。
およそ非の打ち所のない、素晴らしいピノ・ノワール。
果実とアルコールが織りなす層は味覚を全く飽きさせることがなく、力強くも上品なタンニンはワインにフィネスを与えている。6千円台後半と言うと高額なワインに思えるが、そのクオリティに触れれば、寧ろリーズナブルに感じられるほど。
ブルゴーニュの高級ワインにも引けを取らない、超高品質の一本といえる。最後には微量ながら酒石酸カリウムの結晶が見られたことも、それを裏付けるだろう。
これまでも何本か日本ワインをレビューしてきたが、共通して言えるのは「フレッシュであること」「比較的ライトな味わいであること」だった。
このワインも、その要素がないとは言わない。しかしそれ以上に特徴的なのが、タンニンである。力強く在りながら苦味や渋味が邪魔になる事はなく、実にバランスのとれた味わい。弱冠ライト寄りではあるが、王道的ピノの味わいとして世界に受け容れられるであろう。
空知はワインの名産地・北海道の中でも注目度の高い地方であるが、流通量が少なく、残念ながら本州のショップで見かけることはまずない。インターネットと通販体制の拡充に感謝したいところだが・・・そうすると今度は瞬殺でなくなってしまうので悩ましい。イノベーションのジレンマである(T-T)
幸運にも入手できた方は是非、心身共に万全の状態で味わっていただきたい。
満足度 : ★★★★★
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