外観
澄んだ輝きのある、濃いガーネット。
粘性はかなり強い。はっきりとしたアーチと、かなりの時間差でラルムが見られる。
エッジにはまだ紫が残り、若々しい印象。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリー、ダークチェリーと言った果実、大ぶりの赤い花、
胡椒、シナモンといったスパイシーなニュアンス。
第一アロマが主体、香りの強さからはまだ成熟途上といった印象。
味わい
アタックは非常に強い。
はっきりとした酸、凝縮感のある果実味が特に前面に出ている。
穏やかだが厚みのあるアルコールも印象的。
タンニンは溶け込んでおり、存在感はあるが決して飲みにくくはない。
余韻は長い。舌に果実の甘みと、心地よいアルコールの熱さが続く。
総評
凝縮感があり、リッチでパワフルなフルボディ。
供出温度は18度前後、グラスは極力大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュはなくても楽しめるが、抜栓後1時間ほどして酸が落ち着いてからの方が、より豊かな果実の厚みを堪能できる。
京橋ワインのサイトにおける紹介文には「オーストラリア・シラーズのお手本ともいえる味わい」とあるが、個人的には、所謂オーストラリアン・シラーズとは異なるベクトルを向いているように感じられた。
ユーカリのようなメントール香は控えめ、アルコールはアッパー過ぎず、硬派な果実の凝縮感が追求されているという印象。
寧ろ、エレガントな本格シラーを目指した味わいのように感じられた。
作り手は「アモン・ラ」を手がけたベン・グレッツァー氏とのことで、そちらを飲んだ際も上記のような感想をもったのを覚えている。やはり作り手の個性というものは顕著に現れるのだなぁと思わずにいられない。言わばそのミニスケール版。だが本家が1万円ほどするのに対し3千円台に収まっているのだから、正直コスパではこちらの方が上と言えるくらいではないだろうか。
「シュッとしたシラーが好きなんだけど、フランスのワインは高いんだよなー」という方には、ど真ん中でお薦めできる。昨今のニューワールドのレベルの高さを知れる一本として是非お試しいただきたい。
満足度 : ★★★★☆
本文後のタグから、同じようなワインに飛べるようになっています。
また、インデックス頁から俯瞰した閲覧もできます。↓
他のオーストラリアのワインなど、是非ご覧ください。
コメント