外観
輝きのある、光を通さない濃いガーネット。
エッジには紫が残り、若々しさを感じる。
粘性は強い。傾けるとはっきりとしたアーチとラルムが見られる。
ヘヴィな味わいを予想させる外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブルーベリー、ダークチェリーと言った果実、スミレと言った赤い花。
メントールのような爽やかでハーブらしいニュアンスも。
第一アロマが主体、未だ熟成途上といった清々しい、陽性の香り。
味わい
アタックはやや強め。
滑らかな酸、豊かな果実の甘み、厚みのあるアルコール、
そして力強いタンニンが、バランス良く共存している。
余韻はやや長め。奥歯に果実の甘酸っぱさと、舌に心地よい苦味が続く。
総評
比較的フルーティーだが力強いミディアムボディ。
明るくリッチな味わいで、万人に好まれるバランスの良さがある。
供出温度は18度前後、グラスは出来るなら大ぶりのものが良いだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむ事ができる。
予備知識全くなし、人生初のロシアワインである。
産地であるタマン半島はウクライナの南東、黒海とアゾフ海に挟まれた場所であり、ロシアの中ではだいぶ南に位置すると言えようか。緯度はフランスではボルドー、日本では北海道とと同じくらいである。
正直、ワインを作っている事すら知らなかったが、よくよく考えてみればこれまで飲んできた、モルドバやジョージアはソヴィエトに属していたのであった。そう思えば、冷戦終結の20世紀後半までは、ワインの産地だったとも言える。
ソヴィエト時代の反アルコール運動、モルドバ等の独立により一時は衰退してしまったワイン産業だが、現在は国有農園民営化によって再び発展してきているようだ。
特にクラスノストップはロシア固有品種で、DNAのクリーンアップを受けて雑味を取ったという本気度合いである。
飲んだ感想としては、想像を遥かに超えてハイレベルだった。
すっきりとした味わいながら豊かで凝縮感もある。ボルドーなら倍以上の価格となるであろう、申し分のないコストパフォーマンスである。
2022年2月の頭にくらいにこのワインを買ったときは未だ平和だと思っていたのに、2月24日にはウクライナ侵攻開始、3月上旬現在も渾沌とした情勢である。どうしてこうなった・・・こんなに美味しいのに、人に勧めづらいではないか・・・(T-T)
戦争がなくなったら、またロシアワインを買ってみたい。勿論ウクライナワインも。だから早く戦争よ負われ。
満足度 : ★★★★☆
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世界はワインで平和になれる・・・。他のレビューも是非ご覧ください。
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