外観
澄んだ輝きの、濃いガーネット。
エッジの紫は深く変色しており、それなりの経年を感じさせる。
粘性は強め。傾けるとアーチとラルムが見られる。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ダークチェリーやブラックベリーといった黒い果実。
ピーマンやハーブといったヴェジタルなニュアンスも。
第一アロマと第二アロマの入り混じる複雑な、どちらかといえば陰性の香り。
味わい
アタックは強め。
はっきりとした酸。凝縮感のある濃い果実味が前面に感じられるが、
そのバックには、緻密でいてパワフルなタンニンと、ハードなアルコールが聳えている。
全体的に、ドライで重厚感のある深い世界観。
余韻は長い。喉の手前にアルコールの熱と、タンニンの充実感が続く。
総評
パワフルでエレガントなフルボディ。
供出温度は18度程度、グラスは大ぶりのものがよいだろう。
デキャンタージュすることを推奨。抜栓してすぐに飲むとまだ固い。少なくともエアレーターを通すなどしてしっかりと開かせたい。
神の雫では21巻で紹介される。
確かに、泰然としたスケールの大きさが在ることには大いに共感できた。
非常にヘヴィな割に飲みやすさも感じられる。メルロ主体だからだろうか。
とは言え、序盤は固い固い。岩の上の水滴を嘗めるような渇望感のあるドライさから始まるのだ。
しかし開いてくると、尖った酸やヘヴィなタンニンがこなれてきて、仄甘い果実を中心にまとまってくる。こうなると俄然美味い!荒々しさや刺々しさはなりを潜め、そこにあるのは球体の様に円やかな果実味である。
瓶の底に残る夥しい量の澱をみれば、そのクオリティの凄まじさは客観的にも見て取れるだろう。
2017年くらいだっただろうか?、嘗てヴィノスやまざきの店舗にて、五大シャトーとコスパワインを飲み比べるというイベントがあった。その時は、シャトー・オー・ブリオンの対抗馬としてこのワインがラインナップされていたのが印象深い。当時飲んだ感想として、「流石にオー・ブリオンには及ばないが、コスパで言ったらオー・ラロックの方が圧倒的だな」と思ったのを良く覚えている。何せ価格にすればオー・ブリオンの1/10程度にも関わらず、味わいは微差程度にしか感じられなかったのだから。
今飲んでも、やはり同じ感想である。並の経験値では、このワインと五大シャトーを区別するのは困難ではないだろうか。少なくとも碌に高級ワインを飲んでいない私には(^^;、その価格差に見合うパフォーマンスの違いを見出せないと思う。それくらいに、このワインは圧倒的である。
満足度 : ★★★★☆
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