外観
澄んだ輝きのある、透明に近い淡さのレモンイエロー。
粘性はやや強め、傾けるとエッジの輪郭がじんわりと残る。
若くてライトな外観。
香り
香りはやや控えめだがしっかりと感じられる。
所謂ソーヴィニヨン・ブランの典型的な「グリーンノート」ではなく、
菩提樹、コリアンダー、麝香といった独特の香り。
その印象はワインよりも、日本酒の吟醸香に近いように思える。
香り自体はすっきりと落ち着いており、爽やかで若々しい。
味わい
アタックはやや強め。
しっかりとしたアルコール感と肉付き、爽やかな酸。
花の蜜のような仄かな甘み、舌の奥に潜む穏やかな苦み。
余韻は長く、ミントのような清涼感が口の中に空気を感じさせ、
そこでようやく、これはソーヴィニヨン・ブランだったと思い出させられる。
総評
フレッシュ&フルーティだが、食用菊の様なヴェジタルさと苦みも兼ね備える。
とは言え味わいは複雑ではなく、シンプルに楽めむことができる。
供出温度は11~14度、グラスは小ぶり~中庸のものを用意すると良いだろう。
可愛らしさも可憐さも、酸いも甘いも持った、白い花のブーケのようなワインである。
本ワインの制作には、「獺祭」生みの親である桜井博志氏、
「神の雫」原作者の亜樹直氏に、醸造家パスカル・マーティ氏と、
オールスター的なメンバーが携わっているそうだ。
ステンレスタンクで摂氏8度からスタートさせ、温度を徐々に下げ、
5度~6度の温度帯を維持する「超低温発酵」というイノベーションが適用されている。
確かに、これまで飲んできた1年ものの白いワインで、ここまでしっかりとした味のバランスと個性を表現するものは数えるほどしかなかったように思う。
今も尚、ワインの醸造技術は進化しているのだということを示してくれる一本である。
満足度 : ★★★★☆
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