外観
やや鈍い輝きの深いガーネット。
エッジの紫は取れ、それなりの経年を感じさせる。
粘性は弱め。傾けてもアーチは見られない。
熟成を感じさせる外観。
香り
香りはしっかりと感じられる。
ブラックベリーといった黒い果実。小振りの赤い花。
甘草や丁子、熟成肉のような癖のあるニュアンスも。
第一アロマが主体、熟成を思わせる陰性の香り。
味わい
アタックは中程度。
滑らかな酸、トロピカルフルーツを思わせる独特な果実の甘みが実に特徴的。
それを下支えするアルコールの厚みもあり、非常に濃厚で静かな味わい。
タンニンは緻密で存在感がある。
余韻は長い。濃密な果実の跡が舌全体に続き、胸にアルコールの熱が残る。
総評
濃縮し豊かな果実味のミディアムボディ。
供出温度は14~18度、グラスは大ぶりのものがよいだろう。
デカンタージュは不要。抜栓してすぐに楽しむ事ができる。
寧夏(ネイカ)は中国北部、ボルドーとほぼ同じ・北緯38度に位置する。
本作品は、日本ワインコンクールで、中国ワイン初の金賞受賞獲得の、中国産高級赤ワイン。
マルスランとは、カベルネ・ソーヴィニヨンとグルナッシュの交配品種で、主にはフランスの南ローヌ・プロヴァンスで栽培されているようだ。飲んでみた印象としては、「パワフルで癖があり、グルナッシュの特徴強め」といった感じだろうか。
ねっとりとした甘さと言うか、トロピカルでいて陰鬱な味わいは、一口にして「これは飲んだ事のない味だ」と思わされる、独特の味わいと世界観をもった作品である。
抽象的な言葉になってしまうが私の印象は、「物憂げで哲学的、或いはオリエンタルで宗教的」。咽ぶような香の焚かれた寺院でワインを飲んでいるような気持ちになった。これをどう味の説明に繋げたらいいのかと困惑していたが、葡萄屋の商品ページの「ライチ」の記載が実に腑に落ち、目から鱗となった。
6000円台と言うそれなりのお値段に相応しく、ライチらしく「高貴」という言葉が似あうかもしれない。
満足度 : ★★★☆☆
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ワイン産地で世界旅行♪。他のレビューも是非ご覧ください。
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