川o・-・)「私は女。ピーエム学園の3年生。野球部のマネージャーをやってるわ。」
川o・-・)「うちの野球部は弱小で、昨年は見事に初戦コールド負けだったわ・・・」
川o・-・)「今年はなんとしても、甲子園にいくわよ!」
川o・-・)「監督!今年は私にチームのマネジメントをやらせてください!」
監督「は?それは監督やキャプテンの仕事で・・・」
川o・-・)「いいからやらせてください!」
監督「いやいや・・・」
川o・-・)「(耳打ちー)」
監督「ちょ、なんでそれを」
川o・-・)「いいですよね?」
監督「仰せのままに」
立ち上げ
「プロジェクト憲章の作成」
監督「じゃあこれ、女ちゃんに指揮権があることを認める文章」
川o・-・)「ありがとうございます!どれどれ、」
川o・-・)「『野球部は甲子園に行くことを目標、成功基準とする』?」
川o・-・)「『OBとの練習試合で健闘できるだけの実力になること』?」
川o・-・)「『そのためのプロジェクトマネージャーとして女を任命する』?」
川o・-・)「ずいぶんとざっくりしたことしか書いてないわねぇ。」
川o・-・)「まぁいいわ。これで私は正式に(プロジェクト)マネージャーよ!」
「ステークホルダーの特定」
川o・-・)「さぁ!甲子園への第一歩よ!」
川o・-・)「まずは登場人物を整理しておこうかしら。」
川o・-・)「えーと、監督にコーチ、キャプテン、部員のみんな、校長(?)、応援団・・・」
川o・-・)「・・・改めて思うと、野球って、いろんな人が関係してるのね。」
スコープの計画
「要求事項の収集」
川o・-・)「次は計画を立てるわ!何事も事前準備が大切よ!」
川o・-・)「まずは『みんながどうしたいか』を理解しないとね。聞いてみましょう」
~聞き取り中~
川o・-・)「えーと、『道具を新調して欲しい』?」
川o・-・)「『プロテインを部費で支給してほしい』?」
川o・-・)「『チアリーディング部に応援してもらいたい』?」
川o#・-・)「言いたい放題言って・・・これで練習しなかったら地獄を見せてやるわ・・・メラメラ」
「スコープの定義」
川o・-・)「さて、要求事項は文書にまとめたし、次は成果物を明らかにしましょう」
川o・-・)「高校野球児の成果物、それは無敵の身体よ!」
川o・-・)「ベンチプレス80kgを上げ、3kmを10分で走り、5教科の平均点が90点を超える」
川o・-・)「そんなパーフェクト・ヒューマン軍団を、育成して見せるわ!」
部員「いや、野球」
川o・-・)「あっ、でも、歌って踊れる必要はないわよ」
部員「アタリメーダロ・・・」
「WBSの作成」
川o・-・)「成果物である最強の身体を手に入れるには・・・」
川o・-・)「頭もよくするには・・・」
川o・-・)「よし、成果物から逆算して、必要なものを洗い出したわ!」
・筋トレ
・マラソン
・勉強会
(以下略)
川o・-・)「この枠からはみ出す奴は、ビシビシ矯正が必要ね」
スケジュールの計画
「アクティビティの定義」
川o・-・)「何をするかが決まったら、次はスケジュール作成ね!」
川o・-・)「私は旅行するにも、タイムスケジュールを作ってその通りに進めないと気が済まないの」
川o・-・)「まずは、WBSを更に細かく分解していきましょう」
川o・-・)「『筋トレ』は、ベンチプレス、ショルダープレス、スクワット、デッドリフト・・・」
川o・-・)「『マラソン』は、校庭を300周するか、隣県を往復するコースか・・・」
部員「ヒエッ・・・」
「アクティビティの順序設定」
川o・-・)「順番も決めた方がいいわね。先に筋トレ、その後マラソン、帰ってから勉強ね」
部員「別々の日にしてくれよ・・・」
「アクティビティ資源の見積り」
川o・-・)「みっちり体を作ったら、フィールド練習も必要ね」
川o・-・)「そうだ、グラウンドが使える時間帯とか確認しておかなくちゃ」
「アクティビティの所要時間見積り」
川o・-・)「期間は、体作りが2カ月、フィールド練習が3カ月、練習試合が2カ月、ってとこかしら」
「スケジュールの作成」
川o・-・)「ついにスケジュールができたわ!」
川o・-・)「このスケジュールからはみ出す奴は、ビシビシ矯正が必要ね」
コストの計画
「コスト見積り」→「予算設定」
川o・-・)「マネージャーたるもの、部費の管理も重要ね!」
川o・-・)「まずは、甲子園にいくために必要なコストを見積もって・・・」
川o・-・)「予算を立てたわ!xx万円あればいいから、なんとか部費で足りそうね。」
川o・-・)「この枠からはみ出すような無駄遣いをするやつは、ビシビシ矯正が(ry」
リスクの計画
「リスクの特定」
川o・-・)「私はできる女!もしもの場合への備えも欠かさないわ!」
川o・-・)「もしエースのA君が交通事故にあったら・・・お兄さんも野球やってるから代役に」
川o・-・)「もしA君の腕が故障したら・・・右投げ右打ちに転向してもらいましょう」
川o・-・)「もしA君が暴力事件を起こしたら・・・担任のK先生に説得してもらおうかしら」
A「なんで僕ばっかり・・・」
「リスクの定性的分析」、「リスクの定量的分析」
川o・-・)「さて、これを発生する確率×期待値で計算すると」
川o・-・)「起こったら一番ヤバいのは、キャプテンが機能しなくなることね」
A「僕じゃないのかよ」
「リスク対応の計画」
川o・-・)「キャプテンが落ち込んだり、やる気をなくすことは是非避けたいわ」
川o・-・)「だから友達のP子ちゃんには、キャプテンからの告白は保留してもらって・・・」
川o・-・)「甲子園に行った後に、断るようにしてもらいましょう」
A「早くふってやれよ」
変更管理
「統合変更管理」
川o・-・)「さぁ、綿密な計画ができたわ!やるわよー!」
川o・-・)「野球の神様、見ててください!」
神「(うむ、承知したぞよ)」
川o・-・)「あら?誰かが返事をしたような・・・ってそんなわけないかー」
部員「はぁはぁ、女ちゃんが作った練習メニュー、きつすぎ・・・」
部員「こんなの守ってられないよ。勝手に変えちゃおうぜ」
神「ならぬ」
部員「えっ」
神「勝手に計画を変更してはならぬ。計画は野球の神に承認されておるのじゃ」
部員「なんか変なのでてきた・・・」
神「変更したければ、我に変更届を申請するのじゃ」
部員「システマチックな神様だな・・・じゃあ練習メニューを減らしてください」
神「ならぬ」
部員「えっ」
神「それを変更してしまうと、スケジュールに遅れがでて、金も余計にかかる」
神「我儘言うとらんで頑張らんかい」
部員「神、きびしー・・・」
実行(監査)
「品質のマネジメント」
練習ワーワー
リ゚д゚)「じ-」
部員「えっと、どなたでしょうか」
リ゚д゚)「私は女ちゃんの友達。彼女に頼まれてあんたたちを見張りに来たの」
部員「(うぜー)」
リ゚д゚)「あなた!いまの腕立て伏せ、顎が地面についてなかったわよ!」
リ゚д゚)「あなた!ノックは1000本でしょ!まだ992しかいってないのに終わっちゃダメよ!」
部員「(マジうぜー・・・)」
成果物の検査
「品質のコントロール」
時は過ぎて夏前。
川o・-・)「いよいよここまで来たわ・・・今までの練習の成果を見せてちょうだい」
川o・-・)「笛(ピッ)」
部員「ベンチプレスうおおおおお」
部員「マラソンうおおおおお」
部員「テストかりかりかり・・・」
川o・-・)「ふむ、全員基準クリアね。検査結果は問題なしだわ。」
部員「(俺たち・・・人間牧場・・・?)」
受け入れ検査
「スコープの妥当性確認」
監督「お前たち、今日はわしら中年OBチームと試合だ!」
川o・-・)「ずいぶん唐突に来たわね」
監督「こんな中年どもに勝てないくらいなら、予選出場は辞退してもらうぞ!」
部員「うおおお、やったらー!」
ワーワーワー
監督「ふっ、強くなったなお前たち・・・合格だよ」
部員「(5回コールド負けしておいて、なんでそんな偉そうに・・・)」
川o・-・)「やった!監督にみんなが受け入れられたわ!」
終結
「プロジェクトやフェーズの終結」
そして夏。
部員「ま、負けた・・・あと1点だったのに・・・」
部員「甲子園2回戦敗退・・・まぁ、我ながらよくやったと思うよ」
監督「そうだな。皆、計画を完璧にこなした。目標は達成、成果は十分でたさ」
川o・-・)「じゃあ、マネージャーとして最後の仕事・・・」
川o・-・)「次のマネージャーに向けて、教訓という資産を残すことと、」
川o・-・)「定常練習についての手順書を作るわ」
部員「(労いとかじゃないんだ・・・)」
川o・-・)「来年は、チームを甲子園で優勝させてよね!」
次のマネ「え、マネージャーってそんなハードな仕事なんですか!?」
もし高校野球の女子マネージャーがPMP試験を受けたら 完。
コメント